- 原文
- The Making of a Legend
- 著者
- Mark Rosewater
- 訳者
- o) nira.
- 投稿日
- 2003-12-10
- 更新
- 2004-01-06
レジェンドウィークへようこそ! 言っとくがちなみにLegendsウィークじゃないぞ。それは2002年の5月にもうやっちまったからな。今回はそう、クリーチャータイプの方だ。今週はこのゲームにおいて一番フレーバーの効いたクリーチャーたちを特集したいと思う。
スクイーをデザインするのはかなり難しかった。市場調査の結果、Weatherlight号の船員のなかで最も有名なのはスクイーだと言う事が既に分かっていたんだが、コイツはただのギャグキャラだった──なんでこんなバカやってるのに死なないんだろうってぐらいな。コイツは一体どうやったらMTGというTCGにおいて面白いクリーチャーになれるのか? 我々は頭を抱えたよ。
とりあえず、物事の明るい面を見る事からはじめて見た。スクイーがこの物語の中で披露した彼の能力ってのはなんだろう? コイツは臆病で、チキンで、その上犬よりもバカだった。コイツの能力?バカなジョークを言って皆に笑われる事か? 我々はもう一度頭を抱えた。やめたくなった。だが、そのとき、このバカなゴブリンのすばらしい特徴を思い出したんだ! そう、コイツは死なないんだ。(この話はしばらく後に小説でも取り上げられて、スクイーが実はほぼ不死の存在だという事が分かった。)いくら小さいクリーチャーでも、そいつが絶対に殺せなければかなり脅威的になるんじゃないか?
というわけで、我々はスクイーが1/1で、その上死なないという事が分かった。次はメカニックの番だ。まず、こういうものを作ってみた:
Squee
1R
Creature - Goblin Legend
1/1
Squee cannot die.
(スクイーは死ねない。)
このバージョンはルール的な問題から消えてしまったが、我々はHammer of Bogardanにヒントを得てもう一度これを作り直した。そのバージョンは、スクイーが死んでも、何回でも手札にもどってくると言う点で「死ななかった」。プレイテストの段階で、コイツはブロックのキモであるスペルシェイパーとものすごいシナジーを示した。そして、スクイーは今我々が慣れ親しんでいるものになった。
ここから分かるように、レジェンドをデザインするという事は、メカニックとフレーバーが一致するように四苦八苦するという事なのだ。これは実は、R&Dが通常する事と全く逆である。フレーバーの方がメカニックよりも遥かにフレキシブルであるため、メカニックを考えてからフレーバーを付け足す方が楽にできるのだ。だが、レジェンドの多くのクリーチャーはこれをさせてくれない(もちろん例外はあるがね。)。レジェンドを作るのは確かに難しいが、うまく行けばかなりクールなカードができる。
ハリウッドで暮らした日々が我々に教えてくれた者と言えば、それは良い悪漢がいかに重要かという事だろう。テンペストでは、使い古された"二人の悪漢"という方式を使った。一人は手下の筋肉バカ、そしてもう一人はボスの策士である。この場合、Grevenは何処からどう見ても筋肉バカの方だ。つまり我々はコイツを、肉体的に強くしなければならなかった。それに加えて私は、コイツがいかに恐ろしいヤツなのかという事を分かりやすくするギミックが欲しかった。
最初に思いついたのは、畏怖能力付きのデカブツだ。それから、コイツがいかに恐ろしい奴かをわかりやすくするために、場に出た時生け贄を捧げなけらばならない事にした。実際、ストーリーの中でも利益にならない身内はいくらでも殺しているからな。良し、いい出来だ。私はこのカードに満足していた。このカードを巡って変な論争が怒るとは思ってもいなかったんだ。ここにその論争を記す。
(しばらくの沈黙。)
グレヴェンは、他のストーリーカードとの兼ね合いのためにフレーバーが何処まで広がるかを示している。
時としてストーリーはメカニックを変える。ミリーもそうだった。我々は、エクソダスにミリーをレジェンドとして入れなければならなかった。エクソダスの最中にミリーが死ぬからだ。ウェザーライト号のクルーは全員、レジェンドとして印刷する事は既に決まっていたから、これが我々とミリーにとって最後のチャンスだった。
ミリーはラノワールのエルフと共にすむ、猫の戦士だった。彼女はとても強かった。これをうまくあらわす為に、彼女に4つの能力を与えようと思った。先制攻撃、森渡り、プロテクション(黒)、そして攻撃に参加してもタップしない、の4つだ。だが、私は一つの問題に気がついていた。
最終的に、プロ黒は対象にならないアンタッチャブル能力に変わった。だが、いざ印刷しようとしたら長すぎて収まらなかったので、アンタッチャブルはやめてタフネスを一点増やす事にした。
コイツを作るのはかなり難しかったぜ。ストーリーでは、グリッサは二つの全く違う緑の能力を使う。だから、両方の能力をうまく相互に関係させたギミックを作る必要があった。おれはかなり悩んだね。だが、そのとき
待てよ。いま8月で、ミラディンのプレビューがはじまるのは9月じゃねえか。つまり、おれは....あー。この文章は全て忘れてくれ。そんな文はこの世に存在しない。いや、今お前が読んでるのはきっと想像の産物だ。うん。
このカードのメカニックはミラージュをデザインしているときに思いついた。毎ターンエサを喰って強くなるヴァンパイアだが、エサがないとどんどん弱くなる...素敵じゃないか。ミラージュには結局他のメカニックを使ったので、こっちはしばらく暖めておく事になった。すぐに他のヴァンパイアを印刷する事は分かってたからな。
クロウヴァクスが登場したとき、私のヴァンパイアメカニックが日の目を見る時が来たと一発で分かったね。最初はテンペストに入る予定だったんだが、クロウヴァクスは最初はヴァンパイアではないので、クロウヴァクスに呪いがかかり変異が起こるストロングホールドにもちこしたってわけさ。(もし最初からヴァンパイアなら、ウェザーライトのクルーは絶対にコイツと一緒に旅しないだろうしな。)
カーンはこの特殊能力をすごいところから持ってきた──Vanguardだ。最初に我々がヴァンガードを作ったとき、カードは全てウェザーライトの登場人物にすることにした。そのときに、Titania's Song / ティタニアの歌をカーンの能力として持ってくる事にした。なんせ、コイツがアーティファクトと関連のある唯一の登場人物だったからな。カーンがレガシーの一部なら、アーティファクトを生物化するすべを最初から持っているかもしれない、と考える事にしたのだ。
カーンを実際のエキスパンションに取り入れる事になったとき、我々はヴァンガードの能力をどうにかして応用できないか、と考えた。そこで、コンセプトは同じに起動型能力にしてターンの終了時までしか生物化しない事にした。-4/+4の能力は彼の「専守防衛」の考え方を表したものだ。
レジェンドの能力のアイデアは何処からでもとれるっていう事の実例だ。
これこそ、フレーバーに限りなく近いメカニックの象徴だ。シッセイはウェザーライトのキャプテンだ。彼女の目的は飛行船を飛ばしてレガシーのアーティファクトを探す事だ。つまり、伝説の探し手な訳だ。というわけでこういう能力をつけた。このカードは、レジェンドにおいてはフレーバーとメカニックがほぼ同一であることを示すいい例だろう。
Dakkon Blackblade / 黒き剣のダッコンに何が起こったのか? そう、彼は自然の精霊として再生したのだ。インベイジョンをデザインしている時、もっとクールなレジェンドを作れないものかと四苦八苦していたんだが、古いレジェンドたちのことを話している間に、ダッコンの事を思い出した。そう、彼はすごくいい。そこでおれは、アイツをリニューアルしてもう一度印刷するべきだと言った。そしたらBill Roseは、「今したら?」って言ったんだ。
我々は元のヘンな色(青白黒。フレーバーに"我が力は山脈の如し"って言ってるのにな)を変えて、緑にした。コイツがマローの魔術師になったのはその後なのだ。
我々は、時としてメカニックからレジェンドを作る。そのメカニックは、レジェンドになるに値するべきものだからだ。
これも昔のレジェンドの再生だ。今回はアンティキティーズのArgivian Archeaologistさ。マルチカラー化に伴って、今度はエンチャントも戻ってくるようにした。
このカードはそもそも当初はレジェンドじゃなかった。Mike Elliottがこのカードを作ったときは、最初はただのブラックホールだった。だが、開発が進むにつれて、オデッセイにブレイズを入れる必要が出てきた。ブレイズをいれるためにカットするレアカードを探しているときに、ちょうどブレイズのフレーバーとマッチするものが見つかったので、それをそのままブレイズにすることにしたんだ。この話で重要な事は、レジェンドをデザインする特別な方法なんかホントはないってことだ。
このカード群から見えてくるように、レジェンドをデザインするのはそう簡単じゃない。私の話を通して、我々のレジェンドに対する絶え間なき努力を少しでも知ってもらえればいいと思う。
当ページは、2ちゃんねるの卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。