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コスト軽減+フリースペル=勝利!? ━━ Extendedにおける《精神の願望》 ━━

原文
Free Mana And Free Spells Equal Free Wins: Mind's Desire In Extended
著者
Caleb Foth
訳者
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv.
投稿日
2003-07-20
更新
2003-07-20

(編注:原則としては、「環境全てのデッキに60%以上の勝率を誇る」などと謳ったデッキをこのサイトに掲載しないようにしている。しかし、GPデトロイトにおいて、「Extended環境で《精神の願望》はブッ壊れている。世界選手権直後に禁止カードにすべきだ!」との風評もあった。この記事が件の願望デッキだとは思えない。《オアリムの詠唱》がミラーマッチの鍵になるとの噂もあるからだ。しかし、どんなレシピがExtendedでベストなのかについて、議論することには意義がある。*1 The Ferret

今年の世界選手権の構築フォーマットはスタンダードとExtendedなことはご存知であろう。スカージが使用可能となり、《精神の願望》をベースにした沢山のデッキが出現した。しかし、8版の導入に伴い《早摘み》が落ちると、プロたちがデザインした《願望》デッキの多くが崩壊の憂き目にあう。しかし、Extended環境においてはブッ壊れた《願望》デッキが健在である。

スタンダードにおける《願望》デッキも試行錯誤されてはいるが、私が見たところ欠点が2つほどある。1つは良質なキャントリップの欠落、低マナのドロー操作が少ないためカードを‘つなぐ’ことができないこと。もう一つはマナ生成手段の欠落、もちろん《早積み》は良いカードだがこれが落ちてしまう8版環境では特に深刻だ。そうそう、‘タイト・サイト’はもともと安定したエンジンを持ったデッキだが、《願望》を加えることでほんの短い間だけど、とても強化される。しかし‘タイト・サイト’はトグのようなコントロールには相性が悪い上、その他のコントロールに対してもサイド後の対戦が絶望的だ。ひょっとしたら、絶妙な比率で《早摘み》やその他の要素を仕込むことでコントロールに強いデッキとして組める可能性もあると思うが、整合性や安定感があるとは言い難いし、そもそも基本セットの移行には耐えられない。

しかし、フォーマットがExtendedとなると話は別だ。比類なき量と質のキャントリップに、幾通りもあるマナ生成方法! さらに8版が加わってコンボ向けの良質カードたちが青に帰還してくる。そう、《商人の巻物》が帰ってくる! ウルザズ・サーガではブッ壊れたカードが多数印刷された。私が好んで使っていたカードの多くは禁止されてしまったが、それでも"フリー"メカニックはまだまだ悪用できる。フリークリーチャーは「手札からプレイ」しないと効果が無いことには注意が必要だが。

"フリー"メカニックを悪用するには、《ガイアの揺籃の地》や《セラの聖域》など複数のマナを供給できる土地を使うか、もしくは"フリー"スペル自体のコストを削減するしかない。しかし《揺籃の地》も《聖域》にも言える事だが、これらを使うとしたら、大量の生物なりエンチャントなりを投入する必要があり、青をベースとしたデッキには成り難い。やはり私は、コストを軽減する方向でデッキを組むことにした。これにより、大量のキャントリップ呪文を快活に使えるようにもなった。そしてExtendedデッキの醍醐味として、‘Gro’のように土地を削減することで、スペルのドロー確率を上げる手法を採ることにした。これにより対戦相手より多くのスペルをキャストすることが可能となる。

ともあれ、レシピを見て貰うことにしよう。

━━ 土地:16 ━━
━━ 生物:8 ━━
━━ スペル:36 ━━
━━ サイドボード:15 ━━

このデッキを構成要素別に分けると、12枚の"フリー"スペルと8枚のコスト軽減スペル、16枚の土地と、4枚のチューター、12枚のキャントリップと、8枚のコンボカード、以上から成る。*2 デッキの目指すところは、《大メダル》や《使い魔》を出して"フリー"スペルをキャストすることでマナを増やすことだ。《商人の巻物》は、《狡猾な願い》のためにスロットを裂かずに「願いスタイル」のサイドボードを製作することを可能にする。しかし私は、1枚だけ《願い》をメインに入れることで《商人の巻物》経由のアクセスを可能とし、相手のターンエンドに《枯渇》を持ってきたり、《思考停止》に《もみ消し》を当てられた時のために《撃退》を持ってきたり、単に《思考停止》や《直観》を持ってきたり、時にはもっと色々な物を持ってこれるようにした。

リアニメイターやアングリー・ハーミット等はメインから入ってるバウンスに弱い。とりわけ、《波止場の用心棒》《退去の印章》などExtendedでよく使われるもの『以外』に、だ。それらのデッキの持つ妨害手段は《強迫》《陰謀団式療法》だけであり、《直観》→《AK》のために《商人の巻物》をキャストすれば、手札破壊の効果は半減だ。これを《大メダル》や《使い魔》でバックアップしてやれば尚更だ。とりあえず、キャントリップはできる限り多くキャストした方が良い。これにより《療法》で何を宣言すべきかを撹乱することができる。そして、《強迫》を撃たれたら《渦巻く知識》でキーカードをLib.トップに隠せるのを忘れてはならない。もし万が一、手札破壊でキーカードを落とされたとしても、まだ手札には質の良いカードとそれを引くためのドロー操作カードがあるはずだ。

対リアニメイター戦は楽勝だ。10回やったら9回は勝てるだろう。それがアングリー・ハーミットなら10戦中8勝ってところだ。ハーミットの方がコンボを決めてしまう事もあるからだ。

リアニメイターとマルカの大きな違いは、妨害手段に裂くスロットが1・2枚少なく、質の良いカードとドロー手段を持っていることだ。また、リアニメイターは概してクロックが速く、マルカはクロックが遅くてカード・アドバンテージに特化していることも、相違点として挙げられる。スピードと整合性という点において、対マルカも楽なマッチアップだと言える。もし、《大メダル》や《使い魔》を展開できずに展開が遅れ、《消えないこだま》を喰らいそうになったとしても、《商人の巻物》《願い》経由の《誤った指図》で相手に《こだま》を叩き返してやることができる。

UGマッドネス、ニショーバ・オース、エンチャントレス等は対マルカとほぼ同じような相性だ。これらの持つ妨害手段の量は私のデッキをスローダウンしたりコンボを止めたりするにはあまりに少なく、大量のカードドローの前にあえなく沈黙してしまうだろう。スライなら、《使い魔》を燃やしたり土地破壊を用いたりでスローダウンできるだろうが、サイド後に《誤った指図》を投入することでこれらの妨害手段を逆に相手のスローダウンに用いることができる。

認識オースとトグはやや苦しいマッチアップだ。サイド後なら《目くらまし》と《誤った指図》を駆使してスペルを押し通すことができるが、サイド前だと《大メダル》や《使い魔》を通すしかない。この時注意すべきなのは、《断絶》無しでは《使い魔》をキャストしないこと。《燻し》の格好の的になってしまうからだ。大事なのは、奴らが何枚カウンターを持っていて、何をマスカンだと考えているかだ。多くの場合、使われるカウンターは《魔力の乱れ》.3枚、《対抗呪文》.4枚、《マナ漏出》.3枚と《妨害》.1枚といったところか。11枚のカウンターが入っているのだから、3発はカウンターが飛んでくると考えた方がいい。サイド後には2ターン目に《指図》や《目くらまし》を使ってでも、《大メダル》か《使い魔》を押し通すべきだ。一旦これらが場に出てしまえば、あとはマナの格差に押し流されてしまって、こちらのスペルを全てカウンターすることが不可能になる。もし、彼らが《強迫》の替わりに4枚の《もみ消し》をサイドインしてきたとしても、まだ大丈夫だ。《もみ消し》を《指図》して《フェアリー》のサイクリングか《使い魔》の再生をカウンターさせよう。あと、たぶん《撃退》はサイドインすることになるので、《商人の巻物》で早めに持って来ておいて《もみ消し》に備える手もある。 対トグでは10戦中6勝程度、対オースで10戦中7勝程度だろう。この1割分の差は、トグのプレイヤーが自分で《思考停止》を撃って45枚以上のライブラリーを削り、それを《サイカトグ》に食わせてワンパンで勝ってしまう事があるからだ。

試しに初期手札をアプレンティスを使ってシミュレートしてみよう。《渦巻く知識》《汚染された三角州》《沼》《大慌ての捜索》《思考停止》《地底の大河》《商人の巻物》あまり良い引きとは言えないが、とりあえず始めてみる。セット《大河》、相手のエンドに《渦巻く知識》。十中八九ここで《大メダル》か《使い魔》が手に入り、4枚目以降の土地か《思考停止》をLib.トップに戻す。《大メダル》か《使い魔》をキャストしたら《大慌ての捜索》でマナを増やす。ここで何を引いてくるかに拠るが、適当に《商人の巻物》でもキャストして何かをサーチしてくる。こんなプランだ。理想的な初期手札は《地底の大河》《精神の願望》《断絶》《断絶》《フェアリーの大群》《島》《夜景学院の使い魔》といったところだ。もしこの後土地が2枚で止まってしまっても《大群》と2枚の《断絶》を使えば青マナを5つほど生成でき、《願望》をストーム=5でキャストすることができる。このストーム=5というのが最低基準だと考えてもらって構わないし、これ以下だと《商人の巻物》や2枚目以降の《大メダル》《使い魔》それに何某かのキャントリップなどを全く引かない可能性がある。コンボに入ったときの《願望》の威力は本当にクレイジーだ。万が一、《願望》が不発に終わってコンボが止まってしまったとしても、手札には豊富なカードがあり次のターンにコンボを決めればゲーム終了だ。

別のサイドボードプランとしては、《目くらまし》.3枚と《指図》.2枚、《テフェリーの反応》《冬眠》.1枚ずつを抜いて《強迫》.4枚と《陰謀団式療法》.2枚、《冥界のスピリット》.1枚を突っ込むというのがある。これにより、サイド後の妨害手段が増えまた《直観》もう1枚をサイドインして、《直観》で《療法》×2+《ネザー》と持って来れば、スペルを押し通す心強いコンボとなる。このプランの欠点は、スライ耐性が落ちること。《誤った指図》をサイドインできなくなるので、火力を相手の生物に撃ち返すことができなくなるからだ。しかし長所としては、重度のコントロールを相手にしたときに、サイド後に圧倒的に強くなることが挙げられる。《もみ消し》などに対抗するのはかなり簡単になるからだ。あと、対アングリー・ハーミット耐性も上がる。これは、こちらのコンボ成立より速く、相手が極めてしまうのを防げるからだ。また、第2案としては《夜景学院の使い魔》を《陽景学院の使い魔》に差し替えて、土地も白絡みの物に変えるというのもある。これなら《オアリムの詠唱》をサイドボードに使うことができる。これの何が凄いかと言えば、《白使い魔》のタフネス3という特性により対スライでより時間を稼げるということ。しかし、欠点としては再生が無くなった事でより遅いデッキに対してブロック能力が劣ることと、他の妨害手段をサイドに積めなくなったことだ。また、他のプランとしては1・2枚の《苦悶の触手》を使うというのもある。このカードを使えば、もっと少ないストーム数で致死量に達するので効果的だ。問題なのは、BBを供給できるようにマナベースを整えなければならないことだが。

で、結局このデッキの弱点とは? 一つは《大メダル》や《使い魔》に依存し過ぎていること。これは、コントロール側のプレイヤーが的確なスペルや的確なタイミング(大慌ての捜索を使うときなど)でカウンターしないことが前提となってしまうわけだ。ただ、デッキに含まれる多くのカードがマスカンとなっていることから考えるに、コントロール側からすればやりにくい筈だ。また、このデッキより速いデッキにも弱い。しかし、環境にはこの類のデッキはとても少なく、せいぜい完璧なハンドを持ったアングリー・ハーミットとターボランドくらいしか無いはずだ。これだけの安定性を持ってしまっている以上、《精神の願望》はType1で制限が掛かった様に、Extendedでも禁止になってしまう可能性があるということは付記しておきたい。

翻訳内容は、獅子面のネタ師◆Neta/Frxv.の脳内変換されたものであり原文記事の内容を正しく捕らえきれていない場合があります。

原文との併読をオススメします。原文はこちらです。

http://www.starcitygames.com/php/news/expandnews.php?Article=5393

*1:it's worth a discussion on how best to break Desire in Extended.すずけんさんの訳とは異なりますが、breakを「解読する・分析する」と摂りました。

*2:6枚のチューターと6枚のコンボカードの間違いだと思います。

それでは矜侍さんの翻訳と併せてお楽しみください。

当ページは、2ちゃんねる卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。