- 原文
- Two New Decks
- 著者
- Brian David-Marshall
- 訳者
- 獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv.
- 投稿日
- 2003-07-14
- 更新
- 2003-07-14
Jun-Wei HewとBen Seckの両名は、このトーナメントには3byeでの出場となりました。通常3byeもあるのは喜ばしいことですが、この両名は新しくデザインしたデッキを見せびらかしたくて3byeがもどかしかった様です。しかしどちらにしろ、byeが明けて3-0-0ラインのプレイヤーたちと当たることになれば彼らのデッキ選択が正しかったか否かは明らかとなるでしょう。
Jun-Weiはデザインしたデッキを前夜のトライアルでBenと共に使って、ちょっとしたメタの混乱をもたらしたようです。Jun-Weiのデッキは『ダーク・デザイア』と名付けられた黒緑青の《精神の願望》デッキ。わずか2枚含まれた《島》は、Type1で制限カードとなった強力なエンジン、《精神の願望》のために含まれています。そして、他には《陰謀団の儀式》や《冥府の契約》と言った普段ちょっとお目にかかれない様なスペルが含まれています。ヨーロッパ選手権で出現した青緑2色のバージョンが《思考停止》を勝ち手段にしているのに対し、Jun-Weiのデッキでは遥かに少ないスペル数でストームが致死量に達する《苦悶の触手》を用いています。
多くのデッキビルダーたちと同様、Jun-Weiもまたスカージのリストの段階から《精神の願望》を使いたくて堪らなかったそうです。「青緑のあらゆるバージョンは試したね。《呪文乗っ取り》をメインから入れたような歪んだバージョンもね。5ターン目にはコンボを発動したいけど、ひどく《精神の願望》に依存してるのに矛盾を感じたんだ。」
Jun-Weiは本当に色々なバージョンを試したそうで、その中には青赤の《包囲攻撃の司令官》を使った物もあったそうです(笑)。しかし、コンボを構成するドローソースの部分で何度も挫折しました。ある日、彼は《陰謀団の儀式》がまるで《早摘み》のように機能することに気付き、そこからは雪崩式にデッキの構想がまとまりました。「《綿密な分析》と《精神の願望》を除く青いカードは全部切ってしまって、空いたスロットは《汚れた契約》《冥府の契約》を突っ込むことにしたんだ。」
トライアルでゴブリンとステロにテンポ負けして2敗を喫した後、Jun-Weiは《綿密な分析》の替わりに《魔性の教示者》を投入しました。「最低でも2発の《願望》を撃つ必要がある以上、《教示者》の採用は自明だね。実際、《教示者》を入れることで《願望》が確実に撃てるようになったよ。」 彼は、もはや《苦悶の触手》だけで十分削りきれると踏んでちょっとの間だけ《精神の願望》をデッキから切ってみました。しかし結局、このパワフルな青呪文はデッキにまた戻されました。
Jun-Weiはこのデッキを実際にプレイするまでの間、とてもナーバスになっていました。そして、デッキリストに書かれたサイドボード候補のカードも二転三転しました。残り数分の段階で《苦痛の命令》を加えることを決断しましたが、見落としていたカードが一つありました。そのカードは《悲しみを飲み込むもの》、ウェイクやその他のコントロールに劇的に効くカードです。 「呪いかよ! 僕がこのカードを忘れるなんて!」
このデッキは、ゾンビとのマッチアップは絶望的だそうです。しかし、3byeが明けれる頃にはゾンビはフィールドに多数存在するステロに食い尽くされていると考えました。まぁ、それは鮫がワニを食い尽くしてしまうだろうと考えるのに似ていますが・・・。彼の言い分を借りれば「マッドネスも辛いしステロもキツい。フゥ、駄目じゃん?」との事です。昨夜このデッキを使うことを決めたNick Wongは「このデッキなら相手を5ターンで殺せるね。問題なのはステロはこっちを4ターン目に削りきってしまうことさ!」とコメントしてくれました。
これだけ問題があるにも関わらず、Jun-Weiはどうしてもこのデッキで出たいようです。 「たぶん僕はOlivier Ruel式の《企業秘密》バージョンにしなかったことを悔やむんじゃないかな。2日目進出は絶望的だろうけど僕個人としては、このデッキじゃないと嫌なんだ。」
昨夜のトライアルでこのデッキが評判になってしまったのも向かい風です。たった1枚の《もみ消し》は彼のデッキに対し致命的に突き刺さり、《願望》デッキ対策に《もみ消し》が使われないように祈り続けるしかないのです。
Ben Seckもまた、一風変ったデッキを持ってきたプレイヤーです。エンチャントレスというまったく新しいタイプですが、マスターズ横浜でGabriel Nassifが使ったものと通じると言えなくもない構成です。このデッキは、《女魔術師の存在》が出た当時からBenが調整を重ねているデッキだそうですが、初期バージョンは《激動》の蔓延に淘汰されてしまいました。 しかし、Nassifが《気流の言葉》を使って成功しているのを見たBenは対戦相手が《激動》のマナまで辿り着けないこと、自分のデッキには《言葉》を使うのに充分なドロー基盤が備わってることに気付いたのです。
Benはそのデッキ構築能力で定評のあるプレイヤーです。ここ最近作ったリアニメイターは 'rogue' としてスタンダードに旋風を起こしましが、彼の功績の中でそれはまだ一部なのです。 彼はプロプレイヤー含有率が少ないグランプリ級の大会では、奇想天外なデッキで対戦相手を驚かすのを好みます。今回は250人以上のプレイヤーの中で、非アマチュアはわずか46人、まさに彼にうってつけのフィールドです。 「このレベルのトーナメントじゃさっ、メタ外デッキに上手く対応できるプレイヤーなんて多くないねっ! どうせ普通のデッキとしかテストプレイしてないよ? ギリギリの判断を迫られてミスしてくれりゃめっけモンさ。オイラ自身、このデッキの細部の動きなんてアドリブでやるつもりだし(笑)」
彼はデッキのフィニッシャーに《動員令》を選びました。「これだけで殺しきるのは無理かもね。聞いてくれよ、オイラさぁ、《動員令》を《こだま》されっちゃって《鳥》と《ウェイク》だけで殴り勝った事あるんだよ!」と、嬉しそうに話してくれました。
《独房監禁》はフィールドに多数存在するアグロデッキとの対戦の切り札となります。Benは《独房監禁》を維持し続ける気はさらさら有りません。プレイテストの時には、このカードを4枚同時に場に並べたこともあったそうです。「《女魔術師の存在》をトリガーさせる時とか、手札が一杯の時とかしかやんないけどねっ!」
BenもJun-Wei同様、サイドボードの構成には葛藤しました。リストに《卓絶》と書かれたのを棒線で消し《崇拝の言葉》と書き直してあります。《卓絶》は相手の《硫黄の渦》と素晴らしいコンボになりますが、相手に依存した2枚コンボに対して、彼はさすがに首をかしげたようです。
対ステロは1ゲーム目は取れるにも関わらず辛いマッチアップだそうです。 「2ゲーム目・3ゲーム目に何をサイドインされるか次第だねっ!」
翻訳内容は、獅子面のネタ師◆Neta/Frxv.の脳内変換されたものであり原文記事の内容を正しく捕らえきれていない場合があります。
原文との併読をオススメします。原文はこちらです。
http://www.wizards.com/default.asp?x=sideboard/gpban03/twodecks
Jun-Wei Hewカコイイ。悲壮な覚悟にサムライを視た。デッキビルダーとはかくありたい。