- 原文
- Standard Tech for Regionals
- 著者
- Kai Budde
- 訳者
- 杉井光 ◆h92HIkARU.
- 投稿日
- 2003-04-28
- 更新
- 2003-05-06
世界選手権の地域予選、そしてM:tG Onlineでの予選が近づいている。また、つい先週、メジャーなトーナメントがふたつあった。オランダ選手権と全英選手権が終わり、環境についてのさらなる情報をもたらしてくれた。不運なことに、英国からは確かな情報が入ってこないけれど、オランダのサイト(http://www.kvdeckmasters.nl)は選手権について書いてくれている。(・∀・)bグッジョブ。
使われたデッキすべてについて語るのはデッキが多すぎてとても無理だけれど、ともかく今すぐデッキリストをたくさん見たい、とはほとんどの人が思っているんじゃないかな。そんなわけで、オランダ選手権の1位と2位のデッキ、それから現スタンダード環境でよくあるデッキをいくつかピックアップしてみよう。
まずその前に、英国から入ってきた断片的な情報を公開する。フィンランドからロンドンに留学しているArrturi BjoerkがCunning Wakeで優勝。2位はMike Grovesの青緑マッドネス。それと、Chris Claptonは、後で紹介する変な青黒コントロールを使ったらしい。英国チーム補欠のWill Turnerは同じく青緑マッドネス。Mike MajorのCanu対立(訳注※どういうデッキなのかはわかりませんが、詳しい方いらっしゃいますか?)、Ollie Schneiderのサイカトグ、Tom Harleの白黒アストラルスライド、Simon Marshall-Unittの黒赤緑リアニメイター(Rob Doughertyが何週間か前にStarCityに投稿したやつ)はいずれも準々決勝で敗退している。スイスラウンドのトップは、5-0-1のタイブレイクでOllie Schneiderのサイカトグだった。
英国選手権のデッキが非常に多彩だったのに対して、オランダの勢力図はごく単純だった。実際のところ、ほとんどのやつはJeff CunninghamとAntonino de Rosaのマネっこだ。構築理論で明らかに共通しているのが、4枚のWild Mongrelをサポートするために残りの56枚を考えるということ。105人中59人が緑のクリーチャーデッキを選んだ。つまり50%は緑だったってことだ。
このクリーチャーデッキ比率の高さこそ、オランダのプロプレイヤーの多くがCunning Wakeを選んだ理由に他ならない。Tom van de Logt、Victor van den Broek、Jelger Wiegersma、Kamiel CornelissenといったプレイヤーたちはみんなCunning Wakeを選択して成功し、トータルで16勝4敗2ドローという成績をマークした(訳注※スイス6回戦×4人分だと計算が2合わないんですが……?)。
Cunning Wakeを使ったプレイヤーは全部で11人。しかもサイカトグは10人しかいなかった。これだけWakeが有力だった――ということはつまり、これほどクリーチャーメインのデッキが多かったにも関わらず、アストラルスライドは良い選択ではなかったということだ。
森の入っていないデッキはたったひとつだけ。また、5つものデッキにまったく同じように4枚のWild Mongrelが入っている。決勝で、Rogier Maatenの青緑マッドネスはJelger WiegersmaのCunning Wakeを倒した。Rogier Maatenのデッキリストは見たこともないような面白い青緑だ。さらに興味深いことに、彼はこの週末を通してただの一度もマッチを落とさなかった――一日目を6-0で終えると、決勝トーナメントをも制したんだ。
デッキの良さがどれほどのものだとしても、彼がJelgerに勝ったことはまったく驚くようなことじゃない。Wakeに勝てるようなマッドネスの構築は、繰り返し繰り返し調整を重ねればそう難しくはないんだ。Quiet Speculationはそれだけでやっかいなカードだし、メインからのUpheavalは横暴なくらいだ。サイドボード後はさらにCounterspellが増量されてWrath of Godのタイミングを難しくし、Upheavalも1枚増やして、Wakeデッキが持ちこたえた場合には確実に1枚は引けるようにする。
でも、メインからのUpheavalもサイドからのCounterspellも、しょせんはマイナーチェンジに過ぎない。最も変わっているポイントは、マッドネスエンジンだ。なんと、このデッキのパーマネントでのマッドネスエンジンはWild Mongrelしかない。Merfolk LooterとAquamoebaはクビになったんだ。これはつまり、Rogierのデッキでは明らかにArrogant Wurmを使う余裕がないということだ。代わりに彼はPhantom Centaurを使っている。この変更はなかなかいいアイディアだと思う。Arrogant Wurmはインスタントでプレイできるという点において、対サイカトグや対Wakeに限っては非常に優秀だ。でも、色んな緑のデッキやアストラルスライドに対してはPhantom Centaurの方が強い。
Merfolk LooterとAquamoebaがいないということはつまりWild Mongrelに極度に依存するということだ。このデッキには他にもRoar of the WurmやWonderやCircular Logicが入っていて、どれも効果的に使うためにはマッドネスエンジンが必要だ。Careful Studyは確かに少しは助けになるけれど、あらかじめCareful Studyできないときなどは、結局これらのマッドネスカードを手札に抱えてしまうこともあるだろう。Maaten氏はこのリスクを見越して、なおうまくやったわけだ。
マッドネスエンジンを削ったおかげで、他のカードを入れられるようになった。フル投入されたUnsummonはミラーマッチの相性を良くするし、他の緑のデッキにもよく効く。特に赤緑に対しては効果抜群だ。Elephant Guideはもはやそれほど怖くないし、Roar of the Wurmのトークンだって消せる。総合的に考えて、AEther BurstよりもUnsummonという選択には賛成だ。1マナの違いは実際にかなり大きいし、もしAEther Burst入りで青のコントロールデッキと当たって、向こうにもAEther Burstが入っていた場合は、相手のがむやみに強くなってしまうという困った事態にもなりかねない。
このデッキで感心できないのは、Nimble Mongooseと、それからタッチで入っている白だ。すでにCity of Brassが入っているデッキでフェッチランドを使うのはいい考えだとは思えないし、メインから入っている平地は事故につながる。僕ならこれは全部外して、フェッチはそれぞれてきとうな基本地形に、平地も森に変える。MongooseはAquamoebaかMerfolk Looter2枚、それから4枚目のPhantom Centaurにする。Phantom Centaurはどんなマッチアップでも役に立つだろうし、たとえArrogant Wurmが入っていなくても、こういうデッキにはマッドネスエンジンが6枚は必要だと思う。それに、Mental NoteもBreakthroughもなしでは高速でスレッショルドに達することは無理だろうからね。
オランダでもうひとつよく見かけたのは、Cunning Wakeの変形だ。Jelger Wiegersmaはこのデッキで準優勝している。
このデッキの重要な変更点のひとつは、メインに3枚入っているExalted Angelだ。これは僕もいいポイントだと思う。でも、Moment's Peaceを削るのはかなり痛いんじゃないかな。赤緑は相性の良い相手だけれど、やはり序盤でMoment's Peaceを必ず1枚は引きたい。それからこのデッキは、メインにCompulsionとCounterspellを4枚ずつ入れることによって、サイカトグとのマッチアップを有利にしてある。でもこれは地区予選で使うにはいいプランとは言えないな。Compulsion3、Memory Lapse3、Counterspell3、それから4枚目のMoment's Peace、くらいがいいと思うよ。
Frank Karstenは黒単コントロールを使ってスイスラウンドを5-1で抜けた。緑のデッキが多い環境では、黒コンもWakeと同じくらいいい選択だ。Compostはたしかにつらいけれど、DuressやVisara, the Dreadfulみたいにちゃんとした対策カードもある。Frankがプレイしたのはこんなデッキだ。
これは僕の使っているバージョンとそっくりだ。僕はChainer's EdictよりもInnocent Bloodを優先していて、あと4枚目のCorruptのかわりにMind Sludgeが入っているけど、このへんの違いはあまり重要じゃない。頭が痛いのは、赤緑に4枚入っているCompostだ。これが青緑相手なら、Visaraさえ出せばそうそう負けることはない。僕は黒コンのVisara対策として青緑にStupefying Touchを入れてみたことがあるけど、全然効果的じゃなかったよ。話を戻して赤緑のことだけど、赤緑は火力2枚あればVisaraを焼ける。だから、理想的な展開としては、相手のCompostが死ぬほどアドバンテージを稼ぎ出す前にCorruptで吸い尽くすことだ。
つい最近、Victor van den Broekがここ(SIDEBOARD)で黒緑についての記事を書いた。その中で、このデッキをはじめて見たのはMaarten Fergusonが使っているところだったと述べている。Maartenはどうやらあきらめずに調整を繰り返したらしく、オランダ選手権1日目で4-1-1という満足な成績を残し、決勝トーナメントでも2勝1敗の3位だった。こんなデッキだ。
実はこのデッキは使ったこともないし対戦したこともないから、そうそうコメントできないんだ。でも、Braidsをサイドに置いてあるのはいい選択だと思う。おおかたの緑デッキ相手にはそう強いカードじゃないし、なにより勝つべきなのはそういう緑デッキたちだからね。
でも、このサイドボードはWish用のカードが多すぎるように見える。Duressをまったく使わずに黒をプレイするのは僕としてはかなり間違いだと思うな。少なくともサイドボードには入れておくべきだ。おそらく抜くのはPhantom Centaur、Spellbane Centaur、Faceless Butcher、それからFilthってところだろう。
サイクリングデッキも地区予選に向けてならいい選択だと思う。サイカトグはそれほど多くはないと思うし、オランダ選手権ほどWakeが多いとも思えない。僕の友人のひとりは、赤白のサイクリングを使ってドイツの地区予選で優勝したんだ。
興味深いのは、見ての通りサイドボードだ。Sascha Deinertは、どのみちサイクリングはクリーチャーデッキには負けるはずがないのだから、サイドボードのすべてを遅いデッキへの対策に捧げるべきだという結論に達したらしい。土地破壊はサイカトグやCunning Wake、そしてミラーマッチにもよく効く。
そこまで環境がコントロールばかりではないとは思うけれど、ともかくこれは確かに僕が今まで見た2色サイクリングデッキの中でもいちばんよくできている。もしアストラルスライドを使おうと思っているのなら、このサイドボードを試してみるべきだ。コントロールに対しては、Wrath of GodとTeroh's Faithful、Astral Slideを2枚、それから土地破壊を入れる枚数に応じてSlice and Diceを何枚か抜くんだ。
最後は、Chris Claptonが使った英国チームの共作品だ。僕がこのバージョンをはじめて見たのはチェコでの地区予選のデッキリストの中だった。Martin Arcimovieはこのデッキで選手権予選を抜けている。
はじめて見たとき、わりとだめなデッキだと思ってしまったことは認めよう。でも、Chrisは僕が間違っていたことを証明してくれた。彼は同じデザインコンセプトのデッキで1日目をりっぱな成績で終え、トップ8トーナメントで2勝1敗という結果に導いた。不運なことにChrisのデッキリストはまだ手に入っていないけど、おそらく若干の変更が施されているだろうと思う。
このデッキで重要なのは、明らかに、早期にStandstillをはり、Riftstone PortalをCompulsionやもしくはもっと古典的な手段で捨てることだ。いったん緑白のマナが手に入れば、対戦相手はStandstillを壊さざるを得ない――そうしないとNantuko Monasteryに殺されるからだ。クリーチャーがいない状況でStandstillがはれるように、このデッキには除去が満載されている。自分がPsychatogを使っていないのであればInnocent Blood は非常にいいカードだ。
でも、PsychatogもUpheavalもないということは、不利になるマッチアップもまたある。対WakeはUpheavalなしではかなりきついだろう。ドロー呪文もCompulsionとDeep Analysisだけだ。メインに1枚だけHaunting Echoesを入れるのは悪くないかもしれない。これ1枚でコントロールデッキに勝てるという状況もあるだろう。
このデッキがどれくらいのポテンシャルを持っているのかについては、正直この週末までこのデッキが真剣に有力だとは考えてもいなかったので、あまり語れないんだ。でも地区予選ではこういうデッキにも気をつけておいた方がいい。少なくともひとつ覚えておいてほしいのは、対戦相手がNantuko MonasteryとRiftstone Portalを見せたら、Upheavalは警戒しなくていいってことだ。
WIld Mongrelを使うのなら、ミラーマッチについてはよく対策していった方がいい。青緑や赤緑はたぶんそこらじゅうにいるはずだ。サイカトグはそんなに人気がないだろうし、きっとめざましい成績はあげられないだろう。Cunning Wakeはおそらく何人かいるはずだから、対策は怠らないように。赤緑ではFlaring Painが、青いデッキであればUpheavalが対策カードになるだろう。
僕が予選に出るとしたら、Wakeかサイクリングか黒コンのどれかだろうね。Compostに轟沈させられる危険を冒してまで黒を使うのはかなり勇気が要るけど、黒コンは強いデッキだし、最近では黒いデッキがそれほど多数でもないからCompost4枚積みはあんまり主流じゃなくなっている。Wakeとサイクリングはどちらも対クリーチャーデッキとして手堅い戦術だ。双方ともサイカトグに対しての相性の悪さは未だに残っているけれど、サイカトグがそんなにごろごろいるとは思わない。
今週末の地区予選、それからM:tG Online世界選手権予選での健闘を祈るよ。
412 名前:杉井光 ◆h92HIkARU. 投稿日:03/04/28 16:50 ID:???
わりと簡単でした。ブッディの翻訳ははじめてなんだけど、ボキャブラリがあまり複雑じゃないので。たまに指示代名詞がなにを指しているのかよくわからんところもありましたが。
新型マッドネスやサイクリングのサイドボードはすごいですね。こういう思い切ったデッキを組む勇気はないなあ。