- 原文
- Rogue Decks For Regionals: Elven Call!
- 著者
- Rob Dougherty
- 訳者
- 矜侍 ◆KuKyouJIv6
- 投稿日
- 2003-04-13
- 更新
- 2003-05-06
地区選手権がどんどんと近づいて来て、webもどのデッキが最高のデッキで、どのようにそのデッキをプレイすべきかという記事で溢れている。そこで、ちょっと違うアプローチでこの記事を書いてみることにした。 この記事は私が今のスタンダードのローグデッキについて書く二つ目の記事だ。新しいデッキを構築して、数日間テストしたものについての記事だ。続きは、君に任せるよ。
デッキの紹介に入る前に、いくつか述べておきたいことがある。企画の性質上、このデッキは十分なテストがなされていない。もし君がこのデッキを気に入って地区選手権に持ち込もうと思ったとしても、まず最初に十分なプレイテストをして、サイドボードプランを練ってくれ。メタゲームにも気を配って欲しい。
このデッキは新しいデッキだと私は信じているが、世界には600万人のマジックプレイヤーがおり、同じようなコンセプトのデッキは存在するだろうし、同じような構築をしたデッキも存在するだろう。何にせよ、外部からの影響を全く受けていない全くのオリジナルだ、などと主張することに意味は無いだろうし、そんなことはしない。
私は普段デッキをいじること自体が大好きなのだが、このデッキについてはプレイするのも非常に大好きだ。もし、君がこのデッキを地区選手権では使わないという選択をしたとしても、このデッキをプレイする楽しさは是非味わって欲しい。
エルフの呼び声はウイニーデッキだ。対戦相手よりも多くのクリーチャーを展開し、それらを《宝石の手の徘徊者》や《部族の腕力魔道師》や《旗印》などの「踏み荒らし効果」で致命的なサイズにして相手を粉砕する。
上記の戦略を達成するために必要な大量のクリーチャーを調達するためにこのデッキが用意している方法は複数ある。最も現実的なものは古典的な、「こっちには小さいクリーチャーが山ほどいるけど、そっちはそうじゃない」戦略だ。もう少し技巧的で面白いのは《ワイアウッドの養虫人》を使って昆虫トークンを生み出すものだ。しかし、最も強力でかつ最も面白いのは、《エルフの案内》と《系図の石版》のコンボだ。
《エルフの案内》はエルフの数だけマナを生み出し、《祖先の石版》はクリーチャーの数だけカードを引かせてくれる。《祖先の石版》を使いエルフの群れを引き、《エルフの案内》でそれらをプレイするためのマナを生み出す。次のターンには君はより多くのクリーチャーをコントロールし、より多くのカードを引くことが出来る。便利なことに、《エルフの案内》はより多くのマナを生み出してくれ、やはり引いたカードを皆プレイすることが出来る。このサイクルはすぐに対戦相手の手には負えなくなるだろうね!
こいつは、今まで印刷された中で最高のエルフだ。こいつが8版でスタンダード落ちしてしまうのは悲しい。マナ加速と言う通常の役割の他にも、1マナクリーチャーとしてマナカーブを埋めるためにも必要となる。
一枚だけのこのカードは信頼出来るエンチャントコントロールでは無い。それでも一枚だけ採用されているのには二つの理由がある。一つは、《ワイアウッドの伝令》が、ユーティリティエルフの価値を高めていることで、もう一つは、このデッキのラッシュ戦略において、1マナのエルフは非常に重要なものである、ということだ。ほとんどのゲームで1ターン目に動くためには、キャスティングコストが1マナのエルフは7体は必要に思える。
さらなる1マナエルフであると同時に、こいつは初手にあれば素晴らしいマナ加速を達成してくれ、また、《祖先の石版》コンボを開始した時には手札を使い切るための助けにもなってくれる。
彼は《野生の雑種犬》では無い。とは言え、彼はタフだ。2マナで出てくる2/3エルフは見過ごすことが出来ないだろう。
ほとんどのデッキはこちらのデッキのクリーチャーを全て殺そうとするか、或いはクリーチャーで戦闘を挑んでくるだろう。そのどちらの場合でも、《ワイアウッドの伝令》は小さな《魔性の教示者》となる。
この教示者が最も輝くのは、《鉤爪の統率者》とのシナジーを達成した時だ。全体除去によってこいつが殺された場合、《鉤爪の統率者》をデッキから持ってくることが出来る。テーブルにこいつがいる限り、手札に《鉤爪の統率者》を抱えているようなものだ。
こいつは凄い奴だ。彼はこのデッキの二つの大事な役割を果たしてくれる。彼は早いターンにプレイする手堅いクリーチャーで、また「踏み荒らし効果」でゲームを終わらせるフィニッシャーでもある。
この脆弱な2マナクリーチャーは、生きてさえいれば大量のライフを与えてくれるだろう。(このデッキには、なんせ31体もエルフがいるんだ!)彼女は青緑マッドネスと対戦した時本当に輝く。たとえ相手が《不可思議》でこちらの防御を越えて来ても、エルフの大群が除去されていない限り、彼女が生きながらえさせてくれるだろう。
元々はメインデッキに《幸運を祈る者》は一枚しか入っておらず、残りの三枚はサイドボードだった。不運なことに、予想されるマッチアップに勝つためのサイドボードカードを全て用意したところサイドボードが16枚になってしまい、そこで一枚の《幸運を祈る者》をメインに移すことになった。また、2マナのエルフとして、マナカーブにおいてもやはり重要な役割を果たしている。
こいつは、私が賞賛を禁じえないカードの一つだ。最初はこれをデッキに一枚しか入れておらず、二枚の《エルフの尖兵》と一枚の《岩石樹の発動者》をその分のスペースに採用していた。しかし、《ワイアーウッドの養虫者》は最も引きたいカードであり、最もしばしば《ワイアーウッドの伝令》で持って来るカードだった。《エルフの尖兵》はクールなカードで、恐らくデッキに戻すべきカードだろうが、《ワイアーウッドの養虫者》を犠牲にするほどでは無いだろう。
一枚でも《ワイアーウッドの養虫者》を引ければ良い兆候だ。彼が生み出す昆虫はクリーチャーの大群を整備するのに役立つし、死んでも気にしなくて済むチャンプブロッカーになってくれ、《チェイナーの布告》に対する防御にもなってくれる。黒いデッキに対しては、《ワイアーウッドの養虫者》を《チェイナーの布告》から守るために、1ターン目に1マナのクリーチャーを出しておくようにするべきだ。他のデッキに対しては、彼の能力を考えれば3ターン目まで1マナクリーチャーをキャストするのを待つのが正しい選択だろう。
《ワイアーウッドの養虫者》は一枚だけでも十分強力であり、複数引けばそれだけでゲームに勝ってしまうだろう。二枚や三枚こいつを引いたら、昆虫の群れは爆発的に成長するだろう。トークンチットを大量に用意しておくべきだろうね。
エルフの呼び声のようなウイニーデッキは常に《神の怒り》を恐れなければならない。オンスロートでは《めった切り》や《星の嵐》が投入され、ますます状況は悪くなっている。レギオンで投入された《鉤爪の統率者》は、エルフたちにそれらの大量除去に対して戦う術を与えてくれた。前述した《ワイアーウッドの伝令》とのシナジーにより、3マナをオープンにしていれば、もはや《神の怒り》を恐れる必要はないだろう。
こいつは分割払いが出来る《踏み荒らし》のようなものだ。1ターンの間にまとめて5マナを払うことでエルフ全てに(もちろん昆虫でも)+2/+2とトランプルを与えることも出来るし、3マナをそのターンに払い、次のターンに2マナを払って効果を発動することも出来る。後者を選んだ場合、《部族の腕力魔道師》自身も《踏み荒らし》効果を受けて攻撃する集団に入ることが出来る。
《エルフの案内》は《エルフの案内》/《系図の石版》コンボの中でマナ生成を担当する部分だ。このカードが生成する途方も無い量のマナは、《旗印》を強めるためにクリーチャーを並べる助けにもなり、さらには1ターンの間にいくつもの《踏み荒らし》効果を発動することをも可能にしてくれる。
最近まで私はデッキに4枚の《エルフの案内》を投入し、デッキの総枚数は61枚にしていた。余分な一枚を削ろうとした時、《エルフの案内》を削るというのには非常に抵抗があった。しかし、このカードは非常に強力な反面、単体では何も出来ないし、初手に引いてしまうと非常に悪いものだったため、結局は3枚に減らすことになった。
このカードは、手札を速やかに消費する全てのデッキにおいて素晴らしいカードだ。《ラノワールのエルフ》、《エルフの開拓者》、また特に《エルフの案内》が発生させる余剰のマナが《系図の石版》を「良い」カードでは無く、「ブッ壊れた」カードへと変える。
《旗印》は、究極の「お子様向け」カードだ。それだけに、プレイしていて非常に楽しい!このデッキの部族テーマはさらに《旗印》を非常にパワフルなものにする。しかし、その高いキャスティングコスト、諸刃の剣にも成り得る効果、さらに、同じようにクリーチャーに依存するカードである《エルフの案内》や《祖先の石版》がデッキに投入されている、などの理由からデッキに2枚だけが採用された。
土地が20枚というのは、少々きついのかもしれない。しかし、《ラノワールのエルフ》や、《エルフの案内》、低いマナカーブを考えれば十分に動くだろう。初手が「土地は一枚しか無く、《ラノワールのエルフ》も無い」と言う手札だった場合、マリガンしなければならないだろう。とはいえ、こういうウイニーデッキを使う場合には払わなければならない犠牲だ。
このカードは、赤の対象を取る除去に対して、クリーチャーを展開するための一つの回答だ。特に、相手のデッキに《火花鍛冶》が入っている場合には絶対に必要なものとなる。
黒コンに悲鳴を挙げさせるカードだ。トグ相手でも、こちらの大量のクリーチャーを除去するための黒い除去によって、十分にカードを引くことが出来るだろう。
緑の《解呪》は《罠の橋》、《仕組まれた疫病》、《霊体の裂け目》、などに対する備えを与えてくれるだろう。
スライド相手には、大量エンチャント除去が必要だ。
こいつはまず青緑マッドネスに良く効く。《頑強な決意》と組み合わせれば、ゴブリンや赤緑ビートダウン相手でも同じように相手のゲームプランを滅茶苦茶にしてやれるだろう。
飛行クリーチャー、特に《不可思議》、は厄介だ。相手クリーチャーが地上を這い回っている限りは、《ワイアーウッドの伝令》や《ワイアーウッドの養虫者》の昆虫トークンで永久に遠ざけていられるが、空を飛んでいる連中に対しては、このトリックは使えないのだ。
《絹鎖の蜘蛛》は最後までこのスロットへの投入を検討されていた。しかし、最後の決め手は、やはり《ハリケーン》はX呪文である、ということだった。両方を試してみて、どちらの方がしっくり来るかは個人で検討してみて欲しい。
このマッチアップでは、《頑強な決意》が《火花鍛冶》の圧倒的火力に対抗するために絶対に必要だ。《火花鍛冶》を除けば、概ねこちらのクリーチャーはあちらのクリーチャーより質が良いため、相手が《火花鍛冶》を引かないか、こちらが《頑強な決意》を引けば、好調だと言っていいだろう。もし《頑強な決意》を引けなかったならば、《ワイアーウッドの伝令》や《鉤爪の統率者》、《ワイアーウッドの養虫者》などでカードアドバンテージを稼ぐことで戦線を構築しようとすることもまあ可能だろう。
相手も部族デッキであり、《旗印》は裏目に出るだろう。
赤緑には、大概の場合《エルフの案内》や《系図の石版》に対する依存度を引き下げたい、と思わせるような量の火力が入っている。このマッチアップにおいても、《頑強な決意》は素晴らしいものとなるだろう。もし一枚でも引けたなら、《ワイアーウッドの伝令》から《幸運を祈る者》を持ってくればクリーチャーを展開するのに十分な時間が得られるはずだ。後は《罠の橋》があることを忘れないようにすることだけ気を付けていればいいだろう。
このマッチアップはかなり楽なものだ。こちらには大量の低コストの脅威があるし、《チェイナーの布告》に対する守りも備えている。トグのカウンター呪文に対して、《エルフの案内》のような「セットアップ」呪文をあまり(よくわからないっす。単体では役に立たない、ってことかな?)良くないように見えるし、《旗印》は大概の場合オーバーキルだが、他のカードはどれもトグに対しては素晴らしいものだ。
ゲームが長引けば勝てるだろう。しかし、空飛ぶファッティに素早く殺されるのはやはり大きな脅威だ。《幸運を祈る者》は相手を圧倒するための時間を稼くための重要なパーツ、勝利の鍵だ。不幸なことに、《ワイアーウッドの伝令》が死んでくれることは非常に稀で、古臭いやり方だが、普通に《幸運を祈る者》を引かなければならない。
このマッチアップでは、《戦慄をなす者ヴィザラ》、《もぎとり》、《仕組まれた疫病》が最も脅威となる。幸運なことに、《たい肥》と《鉤爪の統率者》はどちらも驚くべき強さだ。《旗印》は《仕組まれた疫病》に対する防御手段に成り得るし、他の対処手段を相手が取る前にさっさと殺してしまう助けにもなる。《もぎとり》や、多くのクリーチャー除去が入っている以上、クリーチャーに依存するカードをサイドアウトすると言うのは良い考えだろう。
もし《鉤爪の統率者》がいなければ、このマッチアップは地獄だったろう。実際には、この相手に投入するサイドカードが大量に存在するということを幸せに感じて欲しい。除去が大量に投入されている相手と対戦する時はお決まりだが、クリーチャーに依存するカードを抜くのが必要だ。
《平穏》とのマイナスシナジーや《神の怒り》などに対しての無力さから、現状投入はしていないが、《頑強な決意》はこのマッチにおいても投入の可能性がある。
メインデッキには9枚のクリーチャーに依存したカードが入っており、(3枚の《エルフの案内》、4枚の《祖先の石版》、2枚の《旗印》)もし除去の多いデッキに当たった場合、そのマッチアップにおいては最も弱いと思われるこれらのカードのうち数枚をサイドアウトするようにするべきだろう。
また、相手のクリーチャーの多くが回避能力を持っていたり、或いは相手が除去の少ないビートダウンデッキだった場合には、《幸運を祈る者》を投入することを忘れないで欲しい。
いくつかのデッキにおいては、ほとんど全てのマッチアップにおいて、あるカードがサイドインされることがある。その場合、当然次のような疑問が浮かぶだろう。「構築が間違っているのか?このカードはメインに投入すべきなのか?」
そんな場合でも、必ずしも構築が間違っているとは限らない。見るべきところは、問題のカードは毎回同じカードと交換されているのか、というところだ。もしそうなら、その構築は間違っている。問題のカードはメインに入れるべきだ。そうでないなら、間違っているとは言い切れない。
このデッキの場合は、《エルフの案内》/《祖先の石版》コンボはしばしばサイドアウトされているが、代わりにサイドインされるものは毎回違ったものだ。メインデッキで使うには、このコンボは非常に強力なもので、サイドボードのどのカードよりも、未知の相手に対して用いるのには役立つだろう。
当ページは、2ちゃんねるの卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。