- 原文
- Focus On Tight Sight
- 著者
- Brian David-Marshall
- 訳者
- 矜侍
- 投稿日
- 2003-02-26
- 更新
- 2003-05-06
数ヶ月前、僕のところにプレイテスト仲間のElden Leeから、興奮した口調のメールが来た。そこには、彼がMOで日本人のプレイヤーに、エキサイティングな新しいデッキで負かされた、って書いてあった。 ―僕にはその日本人プレイヤーが誰なのかは、わからないけれど―、でも、僕の知る限り、彼が、後にTight Sightと呼ばれるデッキを最初に組んだプレイヤーだよ。
Eldenと僕は、以前からいくつものデッキを一緒に組んでたんだけど、彼は、僕が「ぶっ壊れた」《未来予知》をどうやって使い倒してやろうかと頭を捻っていたことも知っていたんだ。で、地区選手権にだって使えるかもしれない、この《未来予知》を使ったデッキをいじってみようってことになったのさ。最初のデッキリストは、大体こんな感じだったかな。
その時のサイドボードは、25枚くらいで、このデッキの長所と短所を知るために常に入れ替え続けるためのものだった。とりあえずプロキシ―でデッキを組み上げて、別のプレイテスト仲間のDon Lim、Sayan Bhattacharryya、(この二人は数年前に、「ぶっ壊れた」《補充》を使い倒した二人組さ)それにMike Short、Steve Sadin達とプレイテストを始めたんだ。
いくつかのことは、すぐに分かった。まず、このデッキは《未来予知》を張らなきゃまず勝てない、ってこと。すぐに4枚目の《未来予知》を追加したよ。その時のこのデッキの勝ち筋は、《綿密な分析》を打ち続けて、対戦相手がぐうの音も出なくなるまでカードを引かせるか、《心の傷跡》を何度も何度も打って、一回の《綿密な分析》で勝つか、だったんだ。でも、僕達は《心の傷跡》はあまり好きじゃなかったし、《綿密な分析》だと、相手が死ぬまでに相手のライブラリのカードはみんな相手の手札に入ってしまって、そのせいで邪魔されることがある、ってとこも気に入らなかった。
で、僕達は《予報》ってカードがあることに気づいたんだ。《予報》は《未来予知》と組み合わせると、既知外じみているとしか言えないし、対戦相手に、《対抗呪文》だの《解呪》だのといったものを引かせる危険を抜きに、対戦相手のライブラリを全て墓地に送ってやれる。
さらに、《Psychic Allergy》だの《Camel》だの、絶対デッキには入ってないようなカードを指定し続けて相手を負かしてやるのは、とてもクールだろうね。あるいは、二度同じカードを指定しないようにして相手のライブラリを全て墓地に送り込むっていう自分への挑戦も、なかなか面白いと思うよ。
まあそれはさておき。《強迫的な捜索》の分のスロットは《予報》になった。そして、《不屈の自然》は必要なパーツだということが分かっていたので、それを4枚加え、《懐古》はより役に立つ《クローサ流再利用》に入れ替えて、さらにマナバランスの安定のために、フェッチランドを数枚追加することにした。それで、デッキはこんな感じになったんだ。
僕達はDonとSteveのロッカーからいただいたカードで、25枚のサイドボードを本物のカードで組んで、この「一人遊び」デッキの本格的なテストを始める準備をしたんだ。ちょうどプロツアーの直前でもあったしね。ヒューストンや、いくつものプロツアー予選に出て、マスターズゲートウェイにこのデッキを持ち込むために、プレイテストをしようと思ったんだ。
Gerard Fabianoは、世界でも最も慎重なマジックプレイヤーであるJon Sonneと一緒に厳しいプレイテストをいつもやってるんだけど、彼に、このデッキは《予報》が勝ち手段なのさ、って言ったら大笑いされたよ。でも、数時間一緒にプレイしてみたら、Gerardは、このデッキはどういう風に動くのか説明してくれって、僕に頼んできたんだ。
このデッキが、「Tight Sight」として知られるようになったけど、みんな色々とこのデッキについて誤解しているようだね。誤解の一つは、このデッキは勝つのに長い時間がかかる、ってことだ。
どうしてそんな話になるのか僕には分からないね。このデッキは、青いキャントリップを打ったり、《不屈の自然》でマナを加速したりしてるうちにすぐスレッショルドに到達して、《はるかなる放浪》でますますマナを加速できるようになる。《未来予知》をテーブルに叩きつけた次のターンには―それは、早ければ4ターン目なんだ。4ターン目だぜ?―、ゲームはほとんど決まってしまう。なんせ、呆れるほどたくさんのカードを「引け」て、こっちのデッキは殆ど墓地に送ってしまえるんだ。5ターン目に勝っちゃったことだって、数え切れないくらいあるよ。
《はるかなる放浪》を使い始めたら、デッキのほとんどの土地をテーブルの上に出してしまえるだろう。デッキをみんな墓地に送ってしまったら、その後は2枚の《クローサ流再利用》を使って《早摘み》と《予報》をライブラリに戻し続けて、それらを《未来予知》で使い続けることが出来る。
それからは《予報》を相手に打って、相手のデッキには入ってないってことが分かってるカードを指定し続ければいいんだ。もし《予報》が的中して二枚引いちゃったら、取り返しが付かないからね。マナが足りない時には、《早摘み》でマナのコンディションを整えることにしよう。
ともかく…Jon Sonneがこのデッキで1ターン目のメインフェイズに何をすべきかを考え続けている間、僕達はGerardに何十回も、このデッキのコンボがどんな風に動くのか実演し続けていたんだ。彼はこのデッキが気に入ったようで、僕達も組んだばっかりのこのデッキをコピーして使ってもいいかどうか、聞いてきた。Jonも、CMUやTOGITの仲間達も反対してたってのに、彼はこのデッキをゲートウェイに持ち込むって決めてしまった。彼は少しこのデッキに調整を加えたみたいで、ゲートウェイのデッキリストに載ってるデッキレシピはこんな感じだった。
ゲートウェイでは、GerardはMark Zeignerとのマッチの3ゲーム目で、あと一枚土地を引ければ勝てた、という経験をしたみたいだ。僕には、彼がこのデッキを使って本戦に出場できたのかは分からないけれど、Tight Sightがトーナメントで成功を収めるチャンスは、Gerardが四枚目の土地を引けなかった時点で終ったように思える。次の地区選手権のメタゲームの中で、このデッキが生き残れるとは僕には思えないね。
何でって?そりゃ簡単だよ。このデッキ、《未来予知》をカウンターされたり、《解呪》されたらもう勝てないんだから。アストログライドなんてデッキが流行ったもんで、みんなエンチャント対策はサイドボードにちゃんと用意してる。このデッキもそのとばっちりを受けちゃうんだ。
《萎縮した卑劣漢》もこのデッキにはとにかく、ひどく、…脅威になる。リアニメーターデッキなら、《宿命のネクロマンサー》で墓地からすぐクリーチャーを蘇らせられるよう状態にしてから《戦慄をもたらすものヴィザラ》を墓地に送るとか、色々と対処することは出来るけれど、Tight Sightじゃ、このゾンビ・クレリックが場に出た瞬間、泣きながらデッキを片づけるくらいしかやることが無くなるんだ。
このデッキはとにかく楽しいから、このデッキに未来が見えないってのはすごく悲しい。―《未来予知》がデッキに入ってるって言うのに!―Sayanはこのデッキを調整し続けていて、《入念な研究》か《留意》のどっちかを、どっちだったかは覚えていないけれど、《まやかしの記憶》と入れ替えてみたようだ。確かに、《まやかしの記憶》なら、墓地に全くカードが落ちていなくてもスレッショルドを達成することができるね。覚えておいて欲しいのは、《まやかしの記憶》は「ターン終了時に」カードを墓地から取り除くってこと。つまり、相手のターン終了時に誘発する能力を解決した後に打てば、こちらの墓地にあるカードをこちらのターンの間使えるってことだ。
きっと誰かが僕の考えは間違ってるって証明してくれるだろう。 でも、僕には、地区選手権の後ではTight Sightが皆のプレイテスト用のデッキに含まれているとは思えない。来週、Jon Sonneとのプレイテストがまた一段落したら、グランプリ・ボストンでのグラッジ・マッチ決勝の結果がどうなっているか知るために、また戻ってくるつもりだよ。レギオンが入って最初の大きなスタンダードトーナメントだからね。そこで結果は残せなかったけれど、このデッキは強い、なんて話があれば、僕のメールアドレスまで送って欲しいな。
当ページは、2ちゃんねるの卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。