- 原文
- The past and Future of White - Old favorites and new directions
- 著者
- Randy Buehler
- 訳者
- NPCさん
- 投稿日
- 2003-02-12
- 更新
- 2003-06-06
"White Week"のコラムの多くが、白の疑いなく誇り高き歴史について振り返ってきた。だが、私は白の今後について見てみたいと思う。白の、失われて久しい栄光の日々に対する全ての嘆きに答え、いつか来る日に白が再び頂点に立つことを、希望を込めつつあなた方に再保証したい。私はまず、白を今日の状況にまで追いやった歴史的出来事や決断などに関する話をするが、安心してほしい。そういった話をするのは、それらがこの記事の要点、つまり「白は将来どういう道を行くのか」という話題のお膳立てになるからこそなのだ。
マジックは、つねに(色の強さが)循環しており、どんな色でも5色のうち最弱になってしまうようなときがある。今現在でのスタンダード構築戦ではその色はほぼ確実に白であるが、その事実は本来たいしたことではないのだ。カイ・ブッディがレベルデッキでプロツアーを制し、《山/Mountain》を使って遊びたい連中に立ち向かう人々を擁護するかのようなR&Dの態度に赤使いが苦悶の叫びを上げていたのはたった数年前だ。トーメントが出る前には、黒使いが文句を言いまくっていた。最近では、プレイヤー達が「R&Dは緑が嫌いなんだ」と主張していたが、これはオデッセイが発売されたことで遂に誤りであることが証明された。そして現在耳をそばだてれば、あなたの周りの青使いたちが、現在までのオンスロートブロックで分かっているだけの不十分でつまみ食いのような情報を見て、額に玉のような汗をかきながらぶつぶつぐちぐち文句を垂れ始めているのが聞こえるだろう。
R&Dは、変化が(マジックの)生まれつき備わった利点であると信じている。もしも我々がつねに5つの色のバランスを完璧に保つことができたとしても、我々は決してそうはしないだろう。実際には、我々はバランスを取ろうと狙ってはいるが、いつも狙いをはずして強い色ができたり弱い色ができたりして、万物は流転し続ける。これこそが、我々がゲームにおいて最良だと信じていることなのである。
それでは行ってみよう。最初に語るべきカードは、《剣を鍬に/Swords to Plowshares(4E)》だ。物凄い数の《アーナム・ジン/Erhnam Djinn(JUD)》達が、どこぞの農場を物凄い勢いで耕している様を想像するのはある意味面白いが、これは白がクリーチャー除去に最適な色であるということを決して意味しているわけではない。クリーチャー除去は本来黒の仕事であり、白の仕事ではないと考えられている。実際、赤はクリーチャーを殺す(特にウィニークリーチャーを)という点では黒に次ぐ色であると考えられている。でも白はもう二度とクリーチャー除去呪文を持つことができないわけではない。クリーチャー除去を持ってもいいし、今後持つこともあるだろう。でも、《剣を鍬に》並に柔軟性があり効果的な呪文を持つべきじゃない。超効果的かつ超柔軟なクリーチャー除去なんていうのは、黒が持つべきなんだ(そして我々は黒のこのような面を、《終止/Terminate(PS)》《無垢の血/Innocent Blood(OD)》《チェイナーの布告/Chainer's Edict(TOR)》《燻し/Smother(ONS)》のようなカード達で後押ししている)。我々の現在の考えは、白は《拘引/Arrest(MM)》や《流刑/Exile(6E)》のようなカードをもっと持つべきだということなんだが、我々は常に再評価を行いつづけているから、もしも現在クリーチャー除去能力第3位の白に現在以上の除去能力を与えてしかるべきだという結論が出れば、白にもっといい除去呪文が与えられることになるだろう。
白がもはや大して強くない理由として人々が常に指摘するもう一つのカードが、《ハルマゲドン/Armageddon(6E)》だ。《ハルマゲドン》が基本セットから外れたことが、マジック界に大きな衝撃を与えたのは認めよう。だが、我々はまさに衝撃を与えるためにそうしたのだ。我々は、プレイヤー達が《ハルマゲドン》を恐れるあまり、青以外の、沢山の土地を場に並べる必要のあるデッキを組まなくなっていると感じた。もしも《ハルマゲドン》がカウンターできなければ、重いスペルに頼り、かつ大会に出られるなんてデッキはプレイできないだろう。そこで我々は、第7版から《ハルマゲドン》を取っ払うことにした。そうすることで、重いデッキ、青くないコントロール系デッキ、そして誰も考えついたことも無いようなファンキーなコンボデッキへの邪魔者が居なくなるような時代の夜明けが訪れるだろうと期待して。
我々の計画は、鬱陶しい青使いたちによって《撃退/Foil(PR)》(駄洒落じゃないぞ)された。ありとあらゆる形態、大きさの青デッキたちがこう叫んだ。「俺達はマナを使い切れるし、誰も俺達の土地を流せないって!? じゃあ俺達は無敵じゃないか!」我々は、この効果がどれほどの影響を及ぼすか全くわかってなかった。我々は、《ハルマゲドン》を外す予定であることがわかった時点で青のカードを弱くしはじめておくべきだったのだ。加えて、インベイジョンブロックの多色テーマは本質的に遅いデッキ(特に青絡み)に対し上手くかみ合うものだった(というのも、青デッキの天敵である攻撃的ウィニー戦略は、2色以上で回すことを好まず、多色カードの恩恵を受けられなかったからだ)。
ともあれ、われわれはアポカリプスをデザインしていることにこれらの事実を完全に理解し、青の力を削る試みを始めたのだ。オデッセイブロックの開発では、明確に青のカードパワーを弱めようとした。しかし、上手くいかなかった。我々が思ったより強かったカードのほとんど全部が青のカードだったのだ。《サイカトグ/Psychatog(OD)》、《激動/Upheaval(OD)》、《堂々巡り/Circular Logic(TOR)》、《不可思議/Wonder(JUD)》などは、もし作り直すならもっと弱い形にするであろうカード達だ。オデッセイブロックの青くないカードで、私が弱く作り直したいのは《野生の雑種犬/Wild Mongrel(OD)》ぐらいなものだ。
そういうわけで私の中では、「《ハルマゲドン》抜き」実験はまだ終わっていないのだ。我々の計画は、青のパワーを《ハルマゲドン》無しの環境に適正なレベルまで引き下げることであり、そうすることで我々が望むようなクールなデッキが出てくるかどうかを確認することなのだ。もしも、マナ源潰しカードを印刷する以外に、青を食い止める手段が無ければ、我々はそうするだろう(もっとも、私は実際必要だとは思っていないが)。もしも、我々が仮定したような重いデッキや非青コントロールデッキが存在しないことが判明すれば、《ハルマゲドン》がある環境のほうがきっと面白いだろう(この種のデッキが出現しているのが見かけられつつあると私は考えているが。《ミラーリの目覚め/Mirari's Wake(JUD)》デッキ、《霊体の地滑り/Astral Slide(ONS)》デッキ、ビーストデッキなどは非常に遅く、重い呪文に依存したデッキであり、せっかく並べた土地を全部失ってしまう恐怖が常に頭をよぎるような環境では、決して日の目を見ることは無かっただろう)。一方で、たとえ我々が期待するような方向に環境が進み新たなデッキたちが出現したとしても、我々は常に万物を揺らし流転させることの価値を信じているから、先ほど述べたようなデッキすべてが活躍する機会を得た後に再び《ハルマゲドン》を基本セットに戻すかも知れない。
ここでの真の教訓としては、「《ハルマゲドン》は永久に白から失われたわけではない」ということだ。《ハルマゲドン》は、ゲームに恒久的に存在する要素としては強すぎるカードなのだ。だが、私の意見としては、時々出てくる分には強すぎる事は無いだろう。そして、「土地を全て破壊する」というメカニックは、白からずっと失われたままになることは無い。
実際、我々は白が(部分的には)マス・デストラクションの色であると考えている。白の大きなテーマの一つとして、バランスが挙げられる。《天秤/Balance(4E)》は強すぎて二度と印刷されないが、その特色とメカニックは実に白的である。よじれた公平観を持つ白は、物事を完璧に平等にすることを良しとする。全てのクリーチャーを破壊する限りにおいては、それは公平なのだ。あなたが《神の怒り/Wrath of God(6E)》をプレイしたときに、あなたの場にはクリーチャーが1体もおらず、相手の場には4体いたとしても、それは白の責任ではない。《ハルマゲドン》《アクローマの復讐/Akroma's Vengeance(ONS)》《平等化/Balancing Act(OD)》などについても、同様に白らしいメカニックといえる。
白は、ルールの信奉者でもある。「全員を同じように扱う」という明白なルールに従うカード達(前段落でも一部取り上げたような)に加え、我々は白に、全員が従うルールを作成するカードを加えることによってこのテーマを拡張した。《翻弄する魔道士/Meddling Mage(PS)》はその良い例だ。選ばれた呪文は誰もプレイできない。《冬の宝珠/Winter Orb(5E)》の効果も、この例に入るだろう。このカード自体は再印刷するには強すぎるほどのマナ拘束カードだが、もしも《水位の上昇/Rising Waters(NE)》を戻したいと考えたなら、我々は青ではなく白のカードにするだろう。
白の栄光の日々のカードのうち、私があまり言及することがないカードがある。《土地税/Land Tax(4E)》だ。このカードは、実にすっきりしている。《土地税》自身は強すぎるが、それでもなおこのメカニックは白の長所にばっちりフィットしている。我々はこのカードの変形版として《税収/Tithe(VI)》や《雨ざらしの旅人/Weathered Wayfarer(ONS)》のようなカードを印刷しつづけている。また、我々は白の「徴税」の特色を拡張して、《風生まれの詩神/Windborn Muse(LEG)》のような「マナ徴税」カードを作成している。
私が話す最後のカードは、《サバンナ・ライオン/Savannah Lions(4E)》だ。白は最高のウィニークリーチャーを擁する色だと考えられており、レギオンに《白騎士/White Knight(LEG)》を再録したのも、白が優秀なウィニークリーチャーを得ていることを確かめ、我々の主張を後押しする必要があると考えたらからだ。白がオデッセイブロックで得たウィニークリーチャー達は、当時明らかになっていたカード達よりはちょっと強いものだったと我々は考えている。同じように、オンスロートブロックでもちょっと強化させている。《鞭縄使い/Whipcorder(ONS)》は少し印象的だったし、《真実の信仰者/True Believer(ONS)》や《雨ざらしの旅人/Weathered Wayfarer(ONS)》も同様だ。もしもこれらに加えて《白騎士/White Knight(LEG)》で不十分なら、我々はマナコストのカーブをじっくりと厳しくにらみつつ、確実に白ウィニーが日の目を見られるようにするだろう。《白騎士/White Knight(LEG)》よりも効率の良い低コストのビートダウン要員を与えるのは、何色であれ軽軽しく行えることではない。ウィニーはゲーム全体の速さとテンポの基盤になるので、下手なことをしてみんながデッキに超軽量カードを入れざるを得ない、といったことにならないよう注意深くする必要がある。
ここで言っておくが、私は昔からずっと《ジャッカルの仔/Jackal Pup(TE)》が《サバンナ・ライオン》よりも強いカードだと思っている。低コストでいつでも使用できる直接ダメージ手段は、ウィニークリーチャー突撃戦略と凄まじいシナジーを形成するため、赤が1マナパワー2クリーチャーを得るのは、白が同様のクリーチャーを得るよりもパワフルなのだ。《ジャッカルの仔/Jackal Pup(TE)》の反動を鑑みても、こいつは《サバンナ・ライオン》より強い。言い換えれば、もしも1マナパワー2のクリーチャーがどれか一つの色に入ることになったら、それをいただくのは白だろう、ということだ。
最高のウィニークリーチャー達を得ているのに加え、今や白は最高の飛行持ちクリーチャー達を手に入れている。振り返って考えれば、《不可思議》を何とか白のカードにする方法があればいいのになぁと思うのだが、オンスロートでは、この特色に生命を吹き込む手段を見つけた。《賛美されし天使/Exalted Angel(ONS)》だ。彼女は非常にいいカードだ。そして、これが白最後の優秀フライヤーなんていうこともない。
当然ながら、白は未だ守備に関して5色中最高の色だ。我々は、白使いが自分の身を守るための戦闘用の特殊能力およびその他多くの手段とともに、ライフを得るカードを印刷していくだろう。我々が現在拡張しようと企んでいる白の特色の一つとして、「私と、私の子たちに干渉しないで!」というのがある。白には先んじて攻撃するという信念は無いが、時には他の輩の頭を殴るのが最高の守備になりうる。《コーの詠唱/Kor Chant(EX)》はこの特色のいい例である。将来こういう線に沿ったカードがもっと出てくることを期待してほしい。白は自分自身を守るだけではなく、まず第一に対戦相手に干渉することでそいつを罰するべきなのだ。
ここまでで、白の未来について(部分的ながら)分かったと思う。以下に列挙すると、共同作業で強力な群れを形成する、小さいが効率的なクリーチャー達、ゲームのルールを定める、ゲームを変えるほどの威力のあるエンチャント、ゲームを「平等にする」強力なマス・デストラクション呪文、最高の飛行持ち、最高のライフゲイン呪文、最高のエンチャント除去、3番目に強いクリーチャー除去、3番目に強いアーティファクト除去、防御、プロテクション、戦闘におけるトリック、そして白使いや白のクリーチャー達への干渉を許さない能力。我々は、新たな領域を探索すると共に、現在存在する部分を強化している。我々は、白がきっと復権するであろうことを保証しよう。
当ページは、2ちゃんねるの卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。