- 原文
- Building a Better Black
- 著者
- Alex Shvartsman
- 訳者
- 杉井光 ◆h92HIkARU.
- 投稿日
- 2003-02-02
- 更新
- 2003-06-06
黒単コントロールは、私のお気に入りのアーキタイプのひとつだ。プロツアー大阪にむけてプレイテストし、それがマスターズでも「いける」ということがわかってから、ずっとお気に入りだった。Your Move Gamesのチームメイトや、私の店の友人たちの何人かが、この特別バージョンのデザインに寄与してくれた。とりわけ、ダーウィン=カッスル。彼の指摘してくれた最終変更は、明確にデッキを進化させてくれた。
伝統的に、黒コンというデッキは、CorruptやSoul Burnで相手を焼き尽くすか、もしくはNantuko Shadeが2発くらい殴って勝負を決めるものだ。しかし、どちらの選択も現行のメタゲームに合っているとは思えなかった。まず第一に、Corruptを4枚入れるということは明らかにデッキが遅くなるってことだ。その遅さが致命的になり得る試合だってある。だから私は、3枚目のCorruptをサイドに引っ込めることにした。メインには2枚しか入っていない。でも、MirariやDiabolic Tutorをうまく活用すれば、たった2枚であっても実行可能な勝利条件であることは揺るぎないんだ。
Nantuko Shadeはたしかに強力で手っ取り早い勝ち手段かもしれない。でも、Chainer's Edictのトップデッキ1発で死んでしまう。いくぶん遅いけれど、まったく脆さがないうってつけのカードがオンスロートに存在する――Riptide Replicatorだ。たいがいのデッキは、デカブツの群れを生み出すことのできるこのReplicatorを除去できない。こいつはまた、CoP:Blackを回避できるというちょっとしたおまけまでついている。
たとえCorruptもReplicatorも使い果たしたりカウンターされたとしても、勝ち手段がなくなってしまったわけじゃない。タイミングよくHaunting Echoesを使えば、そこそこ勝ちが望めるだろう。1発でも充分相手を骨抜きにできるし、そのあとの何ターンかで相手が色々やってきてから2発目を叩き込めば上々だ。
最後に、Undead Gladiatorだ。こいつは、普通に召喚すればただの3/1クリーチャーだ。まあもちろん、ほとんどの場合はサイクリングされてもっといいカードに換えられる。でも、こいつで普通に毎ターン3点殴って勝った試合も少なくないんだ。
このデッキの最大の強みのひとつは――1枚だけ入っているReplicatorを別にすれば――どの勝ち手段も付随的だということだ。どの勝ち手段も、他の勝ち手段に貢献できる。Corruptは除去にもなるし、Haunting Echoesはどんなデッキに対しても強烈な武器になるし、Gladiatorはサイクリングエンジンだ。勝ち手段のためにカードスロットを「消費しない」ということは、ゲームの流れをコントロールする能力を大幅に向上させるんだ。
相手にしたくないのは、なんといってもクリーチャーデッキだ。Mutilate4枚、Chainer's Edict4枚、Innocent Blood4枚の感謝感激雨あられで、クリーチャーデッキに悪夢を見せてやってくれ。
ゲーム序盤に使う除去に関しては、二つほど経験則がある。火力で焼けるデッキ(スライなど)やMutilateをカウンターできるデッキ(青緑など)に対しては、目に付く端から除去すること。クリーチャー1体に対してMutilateを使うこともためらってはいけない。相手にMutilateをどうにかする手段がないと思われる試合では、喜んで天誅を下してやろう。4ターン目に場をまっさらにしてやるか、4ターン目Tutor・5ターン目Mutilateとして、カードアドバンテージを稼ぐのだ。
もう一つは、マナを無駄にしないということだ。先手の場合、2ターン目にInnocent BloodとChainer's Edictが両方手札にあるのならInnocent Bloodを使ってはいけない。3ターン目にInnocent Bloodを使いつつTainted Pactを使えるかもしれないからだ。Chainer's Edictが墓地にあってフラッシュバックのマナもあるんなら、手札の除去を使ってはいけない。
目立ったところと言えば、デッキにSmotherが入っていないことだろう。確かに優秀な除去なんだが、結局のところInnocent BloodとChainer's Edictにはかなわない。もしビートダウン志向のデッキとばかり当たると予想するなら、Smotherをサイドに入れる選択肢も充分考えられる。
クリーチャーの入っていないデッキと当たったら、大量のクリーチャー除去は大きな足枷になる。幸運なことに、そういうデッキは最近のメタゲームからははずれているからほとんどいないだろうし、サイドボード後には充分巻き返せる。
このデッキには攪乱手段はあまり入っていない。でも、対コントロール呪文はどれも非常に強力だ。Hauting Echoesが2枚、Mind Sludgeが2枚、そしてDuressが4枚。
Duressは、事実上どんな相手にも効く多目的の優良カードだ。サイドに下げることは絶対にないし、可能なら8回プレイすることもできる(訳注※:Mirariを使ってのことと思われる)。Mind Sludgeは2枚だけだ。試合中、プレイするのは1回で充分だし、遅くとも4〜7ターン目には撃ちたいからだ。たいていの相手には4ターン目Diabolic Tutor、5ターン目Mind Sludgeで勝てる。
Haunting Echoesはデッキの中でも最強の呪文かもしれない。事実上、この呪文が効かないアーキタイプは存在しないし、どんな相手も骨抜きにしてしまう。コンボデッキ相手には、Lightning RiftやMirari's Wakeといったコンボパーツを消してやるだけで試合終了だ。コントロールデッキ相手にも同様に、Psychatogのような相手の勝ち手段を消してしまえばいい。しかし、不本意ながらHaunting Echoesをサイドアウトする場合もある。もしメタゲームでAstral-SlideやPsychatogやWakeが多いと踏んだのなら、サイドに3枚目のEchoesを入れておくといいだろう。
Diabolic Tutorは言うまでもない。その時その時で相手にいちばん効果的なカードをどれでも持ってくればいい。Mirariが場にあれば、Tutorはまさしくぶっ壊れたカードになる。こういう場合、Tutorをコピーしたら、1枚は必ずまた別のTutorを持ってくること。ライブラリ操作呪文の効果を「倍増」させることこそが、Mirariの最も効率的な使い方だ。
Skeletal Scryingは、超攻撃的なデッキ相手にはうまくないかもしれない。しかし、コントロールタイプを相手に優位に立つにはいいカードだ。デッキに入っている数少ないインスタント呪文のうちのひとつなので、大抵の場合はカウンターをやり過ごして不意打ちでカードに引くことになるだろう。
最後に、とは言ってもこれがいちばん弱いというわけじゃないが、Tainted Pact。ゲーム序盤では、このカードはマナ食い虫のデッキに必要な沼に変わるだろう。中盤以降、もはや土地が必要なくなったら、沼でストップする理由はない。もし2枚目の沼が出てしまっても、そのカード効率のロスは、以降2回のドローステップが無駄ドローになるのを防いだということで帳消しだ。
このデッキは実に大量のマナを必要とする。余剰マナはあまり問題にならない。そうなってしまっても、Undead Gladiatorが解決してくれる。どんなマッチでも、抛り捨てたくなるようなカードというのはあるだろう。たとえばサイカトグと対戦しているときは、Mutilateは大して役に立たない。でも、Undead Gladiatorはこの役立たずを4マナでもっと使えるカードに変換してくれる。ゲーム後半でトップデッキ対決に持ち込まれたとき、マナ余剰が起きてしまうというのがこのデッキの弱点の一つだ。Gladiatorがあればこんなことは起きない。コントロールデッキ相手にDiabolic Tutorをキャストした場合、どんなカードを持ってきてもカウンターされそうだと思ったら、Gladiatorを持ってこよう。そして、勝負をかける前に極悪な手札をセットアップしておくのだ。
黒コンは、他の色にタッチできないデッキだ。MutilateやMind SludgeやCabal Coffersのパワーを上げるためには、沼がひどく重要になってくるからだ。
私のバージョンの黒コンと他のとの最も大きな違いのひとつは、普通は3枚、時には4枚投入されるCabal Coffersが2枚だけでも回るようにしたことだ。Soul Burnがデッキに入っていなければ、途方もない量のマナはそこまで必要ではないし、序盤にCoffersばかり引いて沼不足でつまづかないようにすることは、Coffersを複数並べることよりも重要だからだ。これはつまりTutorでCoffersを持ってくることが多くなるということだが、それでいいんだ。
以下、よくあるアーキタイプをいくつか上げて、どのようにサイドボードするかを解説する。もちろんこれを鵜呑みにしてはいけないし、1ゲーム目で知り得た対戦相手のデッキ構造情報を駆使して、サイドボーディングを細かく調整しなければいけない。
青緑の対黒最強兵器はCompostだ。Eatstern PaladinとEngineered Plagueは、墓地に黒いカードを落とすことなく相手のクリーチャーを除去する手段になる。本当はサイドアウトしたいのはMind Sludgeだけなんだが、スペースを割くためには他のカードもサイドアウトしなければならない。
Mind Sludge、Persecute、Duressは的確に使えばサイカトグをずたずたにできるだろう。Upheavalをトップデッキする以外に、サイカトグに勝ち目はなくなる。Rancid Earthは、Upheavalが撃てないようにマナを抑え込む役に立つ――少なくとも、UpheavalとPsychatogを同じターンにキャストできないようにはさせられるだろう。
このマッチはやるだけ無駄だ。有効な攪乱手段もカウンターもないアストラルスライドには、黒コンに勝つチャンスは「まったくと言っていいほど」ない。Lightning Rift経由で来るダメージをCorruptでしのいだら、あとはMind SludgeとHaunting Echoesが始末してくれるだろう。
3ターン目にRancid Earth、4ターン目にPersecute、っていうそれだけのゲームだ。
黒コンは、どんな相手にも勝てるデッキではないかもしれない――でも、それはどのデッキだってそうだ。黒コンは、スタンダードのトーナメントに参加するときは選択肢の一つとして考慮すべき強固なアーキタイプ層のひとつなんだ。
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当ページは、2ちゃんねるの卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。