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Unveiling Eighth Edition

原文
Unveiling Eighth Edition
著者
Josh Bennett
訳者
杉井光
投稿日
2003-01-20
更新
2003-06-23

気づいていない人もいるかもしれないけど、僕らはM:tG10周年を迎えようとしている。

10年前の、あの夏。Gen Conゲームフェアにおいて、リチャード=ガーフィールドは、Magic:the Gatheringを何も知らない人々の間に解き放った。それからの歴史は、みんなが知っているとおりだ。このゲームは世界中に広まった。今やM:tGは9カ国語に翻訳されて発行され、52ヶ国で700万人ものプレイヤーを抱えている。プロフェッショナルなレベルのプレイングというものもすでに存在している。

新しいカードとメカニックの10年――このゲームはまだまだ力強く進化している。だから、このへんで真面目にお祝いしてやらなくちゃね。そうだろ?

来るべき基本セット(第八版)の具体的な発売時期は、10周年記念にあわせて時期を遅らせられた。Gen Conゲームフェアはどでかいバースデイ・パーティになるだろうし、続く週末には世界規模の第8版トーナメントが開催されるだろう。さらにはM:tGのまさに最大級のダンス・パーティ、ベルリンでの世界選手権で僕らは興奮のるつぼにたたき落とされるだろう。

でもこれだけじゃない。WotCは第8版で、またべつのビッグななにかを計画しているらしいんだ。

僕にとってビッグというと、ファット・ボーイ(訳注※:定冠詞theを添えて固有名詞表記であることから推量して、ナガサキに投下された原子力爆弾の名前ではないかと……思うのだがまさかね? 他にもこの俗称をもつものはたくさんあるので、わからない)とか、ゴジラとか、カイ=ブッディの銀行口座とかだね。

実はM:tGの『顔』が変わるんだ。ちょっとこれを見てくれ。

信じてくれ、君がどう思うのかはわかっている。

これ↓は、上司のトマス=パネルが最初にこのカード・イメージを見せてくれたときの、僕との会話だ。

「なにこれ。詳細キボンヌ」
トマス
「M:tGのカードですが何か?」
「いやどう見てもちがうだろと(・∀・)ネマタ!!」
トマス

――めまいがしたね。

僕はショックをなんとかやりすごし、なにが起きているのかを理解しようと努めた。

あー、まず、たくさんのボックスが描いてある。ボックスのそれぞれにはカード名、呪文コスト、カードタイプ、エキスパンション・シンボル、それからパワーとタフネスが割り当てられている。

パワーとタフネスのボックスは、従来のテキスト欄にいちばんはっきり食い込んでいる。リチャード=ガーフィールドは以前から、パワーとタフネスは重要なものだからもっと見やすい表記にしようと考えていたらしいんだ。

あとは、もっと思い切った変更さ。旧来のカードと比べてみてくれ。旧い方は、みんな色枠がにじんでいるように見えるだろ? あー、べつに色枠がだめって言ってるわけじゃないんだ。枠に色が付いていれば離れたところからもわかりやすいしね。

他にも重大な変更点がある。目立たせるために枠をちょっと削るだけでいいんなら、やらない手はないだろ。カード名やカードタイプの黒い文字はまた特別に見えるはずだ。白のカードではその違いがいっそうはっきりわかるはずだよ。

見てくれ。カード名とカードタイプは白枠にかすんでしまうことなく、クリアになってるだろ? また、イラストとテキスト欄が、ほとんどカードの端にまで広がっているのにも気づくはずだ。枠にとられていたスペースを取り戻してやったのさ、悪くないだろ? さらにさらに、カードを見分けるにはカードイラストを見るのがいちばんだ。だから、イラストは可能な限り強調した。このカード→なんて当社比340%で綺麗になってる。ここで見せたカードの中ではこれがいちばんのお気に入りなんだ。実際にこれを見て僕は、新しいカードレイアウトに魂を売っちまったからね。

今やカードイラストは、可能な限りのスペースに見合うだけの芸術なのさ! デザインし直されたカード枠パターンともしっくりくるだろう。色もそれぞれ手直しされているしね。ここで見せた中では、黒のカードが旧来のにいちばん近いはずだよ。

黒以外はみんな刷新されている。祭の華はなんといってもアーティファクトだろう。あの土地と区別のつかないような茶色をついに脱ぎ捨てるときが来たんだ。

これがアーティファクトの新しい色。鋼鉄と石の間みたいな色と言ったらいいのかな、この色だと、ああ、「アーティファクト」って「人工物」なんだなってしみじみ思えるね。アーティファクトと、同じ無色の仲間である土地との違いはいっそうはっきり示されることになったんだ。

もう一つ大きな変更点。土地にもサブタイプが!

基本地形は、初心者にもそれとわかるようにはっきり表記されることになった。同様に、カード名とは別のタイプをもつ土地もはっきりとそう表記されることになった。以前は、土地はすべてそのカード名と同じサブタイプを持っていたんだけど(訳注※:そうだったのか、知らなかったYO!)、新しい体系では、たとえばTundraはカードテキスト4行も使って長々書く必要はない。ただカードタイプのところに"Land - Island Plains"と書くだけでいいのさ。同様に、プレーシフトのドラゴン・レジェンドのLair土地にも、たるい説明テキストは必要なくなった。"Land - Lair"で済むんだ。

僕はこの全面的な変更について、幸運にもM:tGの研究開発ディレクターのランディ=ビューラーに話を聞くことができたんだ。どうも、それはずいぶん昔から考えられてきたことらしい。10年というのは、考えただけで気の遠くなるような長い年月だ。M:tGのカードの表面的な部分はこれまでほとんど変更されなかったけれど、WotCは実は変更点について、少しずつだけれど検討を積み重ねていたんだ。

インヴェイジョンを開発していたころ、M:tGの商標チームは、今こそM:tGの改装時期だと決断した。デザインチームに回されることになった要望リストは実に膨大な量に膨れあがった。この改革を触発したのは、ごぞんじ、フォイルカードさ。

知っての通り、M:tGはトレーディングカードゲームの元祖だ。フォイルカードを登場させた最初のゲームでもある(訳注※:え? そうなの?)。ただ、問題があって、M:tGのカードってのはもともとフォイルカードなんてものを考慮せずにデザインされたんだ。

後には、ちゃんとフォイルカードがクールに見えるようにデザインできるようになった。その成果があのフォイルさ。目立たないけどね。

カードはみんな真っ白な状態から考え直されることになった。初期のリニューアル案はやたらと過激だった。マナコストが右上じゃなくて横にだらーっと並んでいるなんてのも出た。こういうイカれたレイアウトについて、デザインチームは際限なく議論した。カードの間取りについてどうにか意見が一致したとしても、細かい微調整を大量にやらなきゃいけない――なんて心配はいらなかった。チームはすぐに、この仕事がデカすぎることに気づいたんだ。

見通しがなにも立たないまま、あわただしくインヴェイジョンが発売されてしまった。チームは改革案を凍結し、第8版まで見送ることにしたんだ。この第8版の発売とM:tG10周年が近いことを指摘したのは、ランディ=ビューラーその人だった。両方の時期をあわせるために第8版の発売を遅らせるのは、べつに難しいことじゃなかった。

今や、そうしたことが正しかったのかどうか確かめる時間はたっぷりあった。いくつか新しいカードレイアウトを検討した後、デザインチームは、思い切ったカードデザインの再構築にどれほど利益があろうと、既存のプレイヤーを遠ざけてしまうほどの価値はない、と判断した。

デザインチームは、ひとまず指針として、美的観点・技術的観点の両方から、どんなふうにカードの質を向上させられるかを考えた。ベストなフォイルカードを作り出すためのキーポイントだったので、まず枠が最初の焦点になった。また、カードの他の部分を損ねることなく、離れたところからでもカードの色がわかるようにすることも求められた。

ひとたび決まってしまえば、どのへんまでやっていいのかを試行した。最終バージョンは実際にはかなりオリジナルのイメージに近いものになった。でも、いろんなところにデザインチームの好き勝手な変更が入っているけどね。たとえば、パワー・タフネスのボックスは、テキスト欄のほとんと1/6を侵略してるんだ! もちろん、右下の方ではカードテキストはへんにねじ曲がっちゃうってことだ。

変更パターンのバリエーションはみんな印刷されてオフィスに掲示された。WotCの社員はどいつもこいつもゲーマーだけど、みんな違うタイプのゲーマーだからね。ヘンリー=スターンとかワース=ウォルパートとかランディ=ビューラーとかいった古株や、新入社員や、臨時社員やら。

みんな、試しに新旧のカードを混ぜてプレイしてくれたんだ。結果は、かなり有望だったみたいだよ。だれでもテストプレイできたし、その後で意見を言うこともできた。こういった社内での仕事が、長い時間をかけて、デザイン変更の決定が正しかったことを確信させてくれたんだ。リチャード=ガーフィールドでさえ、この新しいデザインに太鼓判を押してくれた。

新しいカードデザインは、M:tGオンラインにおいても第8版以降のカードに適用されるだろう。でも、遡っては適用されないはずだよ。第8版より前のカードは、今まで通りの外観のままさ。結局のところ、M:tGオンラインはリアルのM:tGのまんまコピーだからね。

10年間維持してきたものを変更する、これは確かにおっかない。でも、そう大した変更じゃない。ちょっとシャープでおしゃれになっただけさ。ジェレミー=クランフォ−ドが「ほらこれ、同じコルベット艦の模型なんだぜ、こっちは塗装を新しくしてみただけなんだけどさ」とか言うようなもんだ。6ヶ月もたてば、僕もことを振り返って、他にやりようがあっただろうかと考えるだろうさ。

当ページは、2ちゃんねる卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。