- 原文
- Ask Wizards
- 訳者
- NPCさん
- 投稿日
- 2003-01-16
- 更新
- 2003-06-23
「マジックをプレイしてる女性なんて知りませんよ。私たちは、あなたを惑わせるためだけに『he or she』と書いたんです。」
「ええと、冗談です。私は、実際にマジックをプレイしているただ一人の女性です。マジックの開発者であり、レベル3のジャッジであり、ルールチームの一員でもあります。ですから私は、テンプレーディングチームに、たくさん『she』を使うよう忠告するようにしています。あなたが『she』と書いてあるカードを見つけたら、それは私のことを指しているんですよ。」
「あ、そうだ。テンプレーディングチームの一人も女性でした。彼女も、カードに『she』を入れるように言った一人です。これで二人ですね。」
「もうちょっと考えさせてください。私がプロツアーでプレイしていたとき、いつも一人か二人、イベントでプレイしている女性がいました。待っていてくだいね、DCIのデータベースで探してみます...まあ、なんてこと! DCIには、95000人以上の女性が登録されているんです! 本当なのか、マーケットリサーチをしないといけませんね。実際は10〜15%のマジックプレイヤーが女性だなんて、信じられますか?」
「冗談はこのくらいにして、私たちはイベントにはいないことが多いんです。一般的に言って、女性はマジックの競争的な面より、社会的な側面を好む傾向があります。ですから、あなたはトーナメントでは少数しか見つけられないでしょうね。もっとたくさんの人たちが、リビングのコーヒーテーブルで相手をやっつけているんですよ。だけど、私が今までプレリリースやPTQに行ったときに、私の他にだれも女性がいないということはなかったと思います。それに、私たちの一人に負けたことによって自尊心に一撃を加えられながらも、そう思われないようにしていた方の話をすることもできますよ。ですから、あなたが次に対戦する女性が、あなたのお尻を蹴飛ばさないとは思わないことですね。彼女は微笑みながらやってのけるでしょう。」
「短く答えると、『私は知らない』。誰も知ることはできないだろうさ。」
「私が思い出す限り、《怨恨/Rancor(UL)》はオリジナルでは2緑だった。それに、『deathback』メカニズム(墓場から手札に戻ってくる能力)も持っていなかった。幾つかトーナメントレベルのクリーチャーエンチャントを作ろうという働きかけによって、《怨恨/Rancor(UL)》のコストは緑に引き下げられ、deathbackメカニズムが加えられたんだ。開発チームはそれを承知しなかった。《怨恨/Rancor(UL)》のコストについて話し合いが持たれた。コストを緑にしたいグループは、強いカードではあるけど壊れちゃいない、と主張した。『緑』チームは自分たちが勝って、その通りにカードが印刷されたのだと信じている。一方『2緑』チームは自分たちが勝ったのに、開発チームのリーダーが植字に回すファイルを差し替え忘れたから、こうなってしまったのだ、と信じている。」
「緑か2緑か選べと言われたら、私は緑を選ぶだろう。だけどもしタイムマシーンが与えられたら、私は1緑にするだろうな。」
「私たちは、オリジナルのセットは、非常に強力なカードとカードの組み合わせを含んでいるということを知っていた。私はハウスルールとレアリティという二つのファクターが、それらのカードのバランスを取ってくれるんじゃないか、そしてみんなそれらのカードを好きになってくれるんじゃないか、と思っていたんだ。」
「まず、私は壊れたデッキはプレイグループによって調整されるだろうと信じていた。私がプレイしたことのある全てのボードゲームは、それらに結びつけられたハウスルールがあったし、プレイしている人々ごとに違うルールで遊ばれていた。私がもし、《稲妻/Lightning Bolt(4E)》だらけのデッキを見せたら、対戦相手を見つけるのは難しいことだろう。(《赤の防御円/Circle of Protection: Red(7E)》をたくさん入れて、「どうだ!」とか言う連中は別としてね。)」
「私はまた、人々が得るであろうカードの数が、これらのカードをある程度の量に制限してくれると信じていた。もし、ある人が20人ほどのプレイグループに属していて、それぞれが5つのスターターデッキを買ったなら、環境に存在する《Black Lotus(UN)》の数はそれほど多すぎはしないだろう。これは私がデザインした中で最も壊れたカードの一つだ。そして、もしみんながもっとカードを買ってくれるか、プレイグループがうんと大きくなったら、私たちは成功する―その時は、バランスの問題に取り組まなければならないだろう―と感じていた。しかしとにもかくにも、私たちは成功してしまった。コモンのカードは、初期の頃からもっときちんとバランスが取られていた。決してそれらを弱いカードにしたかったからじゃない。(例えば、私は《恐怖/Terror(6E)》や《火の玉/Fireball(5E)》は最も強いグループにいると考えていた。)それらがもっと広く使用されるであろうカードだからだ。」
「これら二つのファクターに関して私を驚かせたのは、このゲームが組織化されていくさまだった。モノポリーなら、あなたは友達同士で遊ぶだろうし、あなたたちの中でどんなルールを作っても構わないだろう。あなたのグループが他のグループと全く交流がなくても、驚きはしないはずだ。しかしマジックでは、ほとんどのグループが他のグループと掛け持ちのメンバーをたくさん抱えていたから、一致したプレイとデッキ構築のルールに対する要求は、非常に高かった。プレイヤーがトレードを介して、多くの壊れたカードにアクセスしてしまう機会も予想していたより多かった。そしてみんながカードを買ってくれる量も、予想していたより多かったんだ。」
「これは、R&Dでは触れられたくない問題なんだが...実は私たちの計算によると、潜在的なカードのアイディアを使い果たしてしまうまで、あと7.4年しかないんだ...。ええと、冗談。冗談だよ! 君を少し楽しませたかっただけさ。実際の答えとしては、あなたは心配する必要はないよ。マジックの偉大な力の一つは、その柔軟性だ。私はマジックのカードデザインを6年間やってきたけど、今日もウィザード・オブ・コーストにやってきた日と同じくらい、クールなアイディアがわいてくるよ。それに新しいアイディアに加えて、私たちは昔のカードやメカニックを繰り返し見返すようにしている。昔のアイディアに新しい使い方を見つけるためにね。(私たちが、メルカディアン・マスクスでピッチカードを復活させたのはそういうことだ。)もし永遠ではないにしても、探索し尽くしてしまうまでには数世紀分の拡張セットがゆうに作れるだろうさ。だから結局のところ、パニックする必要はないよ。」
「短く答えると、それは『NO』だね。詳しく答えようとすると、少しばかり複雑になる。マジックのカードの99%は、それをマジック・オンラインで再現するのがどれくらい難しいか、ということを考えることなしに作られている。問題ないだろう、と決め込んで作っているのさ。これは危ないかもしれない、という数少ないカードについては、一緒に働いてくれるプログラマー、Alan Comerにプログラミングできるかどうか聞くんだ。そういうカードの良い例は、オンスロートの霧衣カードだね。今のところ、私たちがやりたいと望んだことがマジック・オンラインに拘束されてできなかった、ということはないよ。」
「一般的に言って、プログラマーの生活を圧迫するカードには二つの種類がある。まず一つは、《超心理戦/Psychic Battle(IN)》のように複雑な、独特の効果を持つカードだ。二つ目は、普通じゃない方法を使って、ゲームの根本的な部分に影響するようなカード。例えば《人工進化/Artificial Evolution(ON)》みたいにね。(うん、まあ、難しいカードはだいたい青なんだよな。)」
「私たちが、これはマジック・オンラインで使うことはできないだろうと考察したのは、例えばカオスオーブや多くのアングルード・カードみたいな、ある種の物理的な動きを要求するカードさ。私たちは、この手のカードを実際のセットに入れたいと望んだことはなかった。だけど、将来どうなるかは誰もわからないからねえ。」
「R&Dの連中はこの手の議論が大好きなんだ。何と言っても、どんな要素がクリーチャーを強力にするのかについては、みんな違う意見を持っているからね。(と言っても、R&Dにどちらのカードが強いかを決定するための、単純で数値的な仕組みがあるわけじゃないよ。そういうのは全て議論で決められるんだ。)総合的に見て、《変異種/Morphling(US)》が《マスティコア/Masticore(UD)》より強力なクリーチャーだっていうのには、ほとんどの人が賛成するだろうね。でも、実際どのクリーチャーが最高かっていうことに関しては、意見が分かれてしまうんだ。」
「《変異種/Morphling(US)》はたくさんの票を集めるだろう。しかし、《惑乱の死霊/Hypnotic Specter(4E)》も幾つかの支持を得ている。大穴としては、《ジャッカルの仔/Jackal Pup(TE)》―コイツは《サバンナ・ライオン/Savannah Lions(4E)》よりも強いと考えられている。なぜなら、赤は一般的に、白よりも早く相手に20ダメージ与えることができるからだ―や、同類の新参である《サイカトグ/Psychatog(OD)》がいる。議論の中で挙げられた他のクリーチャーとしては、《マスティコア/Masticore(UD)》や、《ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator(UD)》、《野生の雑種犬/Wild Mongrel(OD)》、そして《モグの狂信者/Mogg Fanatic(TE)》。こんなところだね。そして、それはどんな環境にそのクリーチャーを置くのかにもよるんだ。スパッとした答えは見つかりそうにないな。例えば一部の人たちは、いつも《Gorilla Shaman(AL)》がトップ5に入ると評価しているけど、最弱の次あたりだと見る人たちもいる。そして彼らがそれぞれゲームをプレイすると、どちらも正しいということがわかるんだ。」