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コンボへの帰還――冬は終わりぬ

原文
Returning to Combo
著者
Randy Buehler
訳者
タイ屋
投稿日
2002-11-21
更新
2003-06-29

私がプロツアー・ヒューストンへ出発する直前に、「マナ・エンジン・ウィーク」のためのコラムを書いているというのには、ある種の皮肉が感じられます。この記事が発表されて数時間後に、コンボデッキについてやかましく言われている、そのプロツアーが始まるでしょう。

11月1日をもってForce of Willはエクステンデッドから退場しましたが、テンペストおよびウルザズ・サーガの両ブロックが依然として使用可能な状態です。コーストは、「コンボの冬」の幕開けとなったプロツアー・ローマ以来目にしてなかった、コンボデッキの大爆発を目の当たりにすることになるかもしれません。

プレーヤーとしての私は、トーナメントでコンボデッキをプレーしたときには、いつもある種の罪悪感を感じていました。他の皆と同じように、私はコンボデッキについて考えることが面白いことは発見していました。また、なんらかの風変りな、そしてありそうもないコンボを展開しようとするファンデッキを作ることはクールでした。けれども、ウルザズ・サーガが登場して、突然コンボデッキがトーナメント・シーンを席巻したとき、私にはそれは正しいとは思えなかったのです。R&Dが、かつての素晴らしいゲームを台無しにして、何かの茶番劇に変えてしまったように感じたのです。

いま、ウルザズ・サーガの登場から4年が過ぎ去り、そして私も根本的に違った角度からゲームを見ているので、私のコンボデッキを見る目は少し違っています。R&Dは本当にウルザ・ブロックで失敗しました。ですが、私はコンボデッキが多数走り回っているという理由だけでは、ゲームが茶番だとは思わないのです。

マジックのもっともクールな部分の一つは、正気とは思えないほど変わった戦略を、対戦相手があなたに対して仕掛けてくるとか、あるいは、無限マナエンジンの存在が、まったく新しい世界の可能性を切り開くことだったりします。

私は1997年に、ピッツバーグの図書館で行われたローカルなトーナメントに行ったときのことを覚えています。私が第1ラウンドで当たった子供は、《Contemplation/沈思黙考》と《魔の魅惑/Aluren(TE)》を場に出してきました。それから彼は《金切り声のドレイク》を(魔の魅惑のせいでマナなしで)プレイして、それ自身を手札に戻すようにしたのです。

(※《沈思黙考/Contemplation(ST)》1白白、エンチャント(場)、「あなたが呪文をかけるのに成功した場合、あなたは1点のライフを得る」)

(※《金切り声のドレイク/Shrieking Drake(VI)》青、ドレイクの召喚「飛行、開門」1/1)

彼はContemplationでライフを稼いで大喜びでしたし、突然私は勝つことが不可能となりました。私はエンチャント除去を山ほどサイドボードすることで、とにかくマッチに勝つことには成功しました。ですが、私はいつでも1ゲーム目の後での、その子供の目にあった喜びを思い出すことができます。

それらの日々を思い出すとき、私はコンボデッキが(特に無限エンジンが)本当に健全なレベルにあったと思うのです。それは(気まぐれに)いじり回すのに十分良かったですし、わずかばかりの幸運があれば勝つこともできたのです。さりとて、それらは強すぎなかったので、それをずっと使い続けなくてはならないというわけでもなかったのです。コンボデッキは、当時は最初の2,3回それを見るのが楽しく、そしてその段階を越えることは決してなかったのです。

サーガの登場の後、コンボデッキは良くなりすぎ、非常に速くなって、どこででも使われていました。コンボデッキとは、普通は、一人の人間が自分の仕掛けを動かすための競技を意味していて、本当の意味での対戦相手との相互作用を伴わないのです。それらは、マジックというゲームのおもしろい部分とは違っています。ウルザ・ブロックへの反応として、R&Dは(準備の整わない状態から)突然、コンボデッキをやめると言い出しました。どんな種類でもコンボエンジンの重要な部分になり得ると見なされたものは、無慈悲にも「はねとばされた」のです。

加えて、R&Dはカードをテストする際の手助けが必要なことも理解しました。彼らはウルザズ・サーガを作っていた時に、自分たちが何を作っているかを理解してなかったのです。そこで彼らはプロツアーへ行って、一団の新しいディベロッパーを雇い入れて、それ以降はカードを登場させる前に、(きちんと)分析させるようにしたのです。それは私が今の仕事を得たときですし、マイク・ドネとブライアン・シュナイダーとワース・ウォルパートもそうしました。

私たちはこの仕事の最初の2,3年間で、「コンボの冬」の繰り返しが起きないようにするのを確実にする手助けをしました。今や、「コンボの冬」は、人々の記憶からも薄れ始めており、状況はコンボ・カードにとって、より安全なように見えます。私は将来のセットで、R&Dがエンジンカードを登場させるのに、ほんの少しだけ規制を緩和しはじめたのを見ることになるだろうと思います。私たちはコンボエンジンをゲームから完全に排除することは望んでないのです。そして、慎重に過ごすための時間は今や終わったのです。

私たちは小さな子供たち(それと、小さな子供たちの中に入って一緒にやることを厭わない大きな子供たち)がどこでもやってるような、トーナメントから離れた次元でのゲームにコンボが這い戻ってきて、いくらか革新的な風変わりなコンビネーションを使って突然「無限」ライフを得るといったようなことが起きればいいと思っています。

私たちはコンボデッキがトーナメント・フォーマットを占拠するような事態は望んでいません。その点は今までと同じです。そしてもし今週末にヒューストンでそれが起きれば、DCIが環境を荒らしているものはなんでも禁止するという形で反応するのは確実だと私は思います。

しかし、その間、皆が作り出したもの(コンボデッキ)を見るのはおもしろかったです。

実際、本当は何が起きようとしているのか、誰も正確には知らないから、私はプロツアーヒューストンが面白いだろうと思います。プレーヤーたちが、そこで何が起きるか正確には知らない場合に勝つプレイヤーというのは、何が本当に重要であるかを、もっとも良く理解できていたプレイヤーだということになるでしょう―― たとえプレーされるデッキがおかしなぐらい強力だったとしても、それは非常にプレイングスキルがものを言う環境を作り出すのです。その上、誰もがコンボデッキはそれを見る最初の2,3回が楽しいというのに同意するでしょう・・・私の考えでは、この週末には、いくつかの新しいデッキがそのタイミングを迎えることになるでしょう。

全般的に見て、私はマナ・エンジン(そしてその他のコンボデッキ)は健全で、重要なマジックの一部であると思います。R&Dが、それらを手に負えないほどにしてしまわない限りは。

私たちは今や「コンボの冬」の時代よりも遙かに大勢のテストプレイヤーを抱えています。それゆえ、私は、何か馬鹿なものを見逃してしまうことのないままで、見張りを少しゆるめることができるということについては、慎重ですが楽観的に見ています。

先週の投票。

「あなたは、《袖の下/Bribery(MM)》を使われて負けることについて、どのように感じますか?」

不愉快だ:
11.01%。
それなりに悪い:
16.82%。
別になんとも:
28.77%。
それなりに良い:
19.59%。
素晴らしい:
23.81%。

それで、以上すべてを考慮に入れると、みなさんはマイク・エリオットよりも私に同意しているように見えます。実際、《袖の下/Bribery(MM)》の嫌いな人は、私の理解していたよりも多かったですが、このカードを好んでいる人は、嫌いな人をおよそ2対1で上回っているようです。マイクと私は、この先週の結果についてよく話し合いました。そして私たちは、読者層について、より正確に理解しようとすることにしました。

今までに、あなた方の大部分は、R&Dがマジックプレーヤーについて考えるために使う「ティミー、ジョニーとスパイク」の分類法を、おそらく耳にしたことがあると思います――もしあなたがそうではないなら、そのことについてのマークの記事を読むために、ここをクリックしてください。それから…。

今週の投票(※すでに次週分で結果が出ているので省略します。投票自体はまだできると思いますが)

原文:
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/rb45
原題:
Returning to Combo
副題:
The winter is over
原著:
Randy Buehler
翻訳:
タイ屋

見てのとおり、プロツアーの直前に掲載された記事。よって、その後の情勢の変化を頭に入れて見ると面白いかも。

途中の《沈思黙考/Contemplation(ST)》の話のために訳した文章。なお、当時は5版ルール下なので、今とは当然カードテキストが違ってる(ドレイクは手抜きだけど)。スタックルールじゃないから、解呪系呪文は十分なコンボキラーになる。っていうか、きっちり残り2本は勝ってる(そしてそのことを書いてる)ところが流石ビューラーって感じでおかしかった。

内容はマーク・ローズウォーターのとそれなりに一致してる(実は微妙に重要。ビューラーはテストプレイする側だがマローはデザインする側なんで)。本当は次の週(プロツアーの翌週)の記事を読もうと思ったら、書き出しでこの記事に関する言及があったから気になったので訳したという動機もあり。

ちなみに最後のアンケートは、前の週の記事が袖の下に関するものだったので載っていた。

当ページは、2ちゃんねる卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。