- 原文
- It's Not Easy Being Green.
- 著者
- Mark Rosewater
- 訳者
- タイ屋
- 投稿日
- 2002-11-12
- 更新
- 2003-06-29
緑の週にようこそ! 今週私たちは自然と成長の色を探検するでしょう。
これは、ついでながら、マジックの色を取り上げる5つのテーマウィークの最初のものです(残りの色の週は、今年の残りから来年の早い時期にかけて登場予定です)。
以前のコラムで言及したように、私はリチャード・ガーフィールドの最も革新的な創造の1つが、マジックの色の輪(カラー・ホイール)だと信じています。カラー・ホイールは、ゲームのフレーバーの部分と、メカニズムからの視点とを結びつけるものなのです。私にとって、それはマジックの中心です。そんなわけで、私は多くの時間をかけて、カラー・ホイールが作動する方法を理解してきました。
何カ月も前に、私はなぜ色がお互いを憎むかを説明する記事を書きました。これは、カラー・ホイールの考え方を詳しく導入しようとする、私の最初の試みでした。今度は、特定の色のフレーバーと哲学に焦点を当てて、それを続けることにしましょう。それが、緑の週だということです。私は、緑から始めるのが一番いいと考えました。(その理由について説明しましょう)
およそ2年前に、R&Dはカラー・ホイールを研究するために、あるリソースを組立てることにしました。私たちはすべての関係者を集めて、色とそれらの関係について、組織的な研究を始めました。私たちが最初にやったことは、5つの色のそれぞれを、はっきり定義することでした。
この作業を補助するために、私たちはR&Dの壁に、実物のカラー・ホイールを作りました。誰でも切り抜いた絵(たいていは文字でしたが)を、ホイールの上の、それが属していると感じた色に張り付けていったのです。もし十分な人数からの反対があれば、それは別のところへと移されました。この練習は非常に面白かったです。(それについては、この文章の最後で、いくつかの例を挙げてお話しするつもりです)
私たちは色の定義をよりよいものにしていくとともに、コンセンサスを形成していきました。そして私たちは緑について重要なことを学びました: それは、理解するのがもっとも難しい色だったのです。誰でも、白とか黒については、同じページにいるような感じでした。しかし、緑についての意見は、誰もが少しずつ違っていたのです。このため、私たちが緑を理解するには、ほかよりも多くの時間が必要でした。そして今回、私たちの結論をこうして広めようとしているのも、このためなのです。
それぞれの色の世界観は、それが何に最大の価値を見ているかということに、多大な影響を受けます。緑が最大の価値を見るのは何でしょうか? それは、自然です。緑が世界を見るやり方であり、世界が正しくあるということです。優雅さ、穏やかさ、力強さにおいて、自然に勝る力はないでしょう。その最終目標は至って簡単で、自然なありようを発展させることです。緑は、その精神において、静かに腰を下ろして、周囲に生命が広がっていくことを見ているだけで十分なのです。それで、緑の究極のゴールは成長だということになります。緑は自然が自由にどこでも見られる世界が、最も幸せだということになるでしょう。
「成長」のテーマは、緑という色のどこでも見られます。緑は《巨大化/Giant Growth(6E)》や《踏み荒らし/Overrun(OD)》のような呪文で、クリーチャーを一時的に大きくする能力を持っています。より長期的に見ても、緑は《激励の加護/Invigorating Boon(ON)》や《捕食者の飢え/Predatory Hunger(EX)》のような、クリーチャーを永続的に大きくする呪文をたくさん持っています。加えるに、緑の成長は、《カマールの召喚術/Kamahl's Summons(ON)》や《ケンタウルスの地/Centaur Glade(ON)》といったトークン製造器を通しても見られます。緑はまた、《マロー/Maro(6E)》とか《土を食うもの/Terravore(OD)》のような、長い時間にわたって成長するクリーチャーも、たくさん有しています。緑の「成長」は、また、《不屈の自然/Rampant Growth(6E)》や《繁茂/Wild Growth(6E)》のような呪文で、プレイヤーが土地やマナを加速して得られるようにする能力も持っています(何回も"growth"/「成長」と出てくるのに気づいたでしょうか?) 無意識的に、緑は休まずにますます多くのリソースを作り出して、ますます多くの脅威を出すことで、敵を圧倒するのです。
緑にとっては不幸なことに、誰もが同じ考え−自然を重んじる−ではないのです。そんなわけで、緑は自然のありようを守ることを使命とするのです。緑は、自然の驚嘆に値するふたつの力、原始の力とクリーチャーの群れを使うことによって、その使命を達成します。緑は、その擁護者の自然の力を重んじています。そんなわけで、緑は本能と自然に見いだされる共生/Symbiosisとを強く信頼しているのです。このことが、緑を予測するのを難しくして、数の力で敵を圧倒する能力を与えているのです。
この原理が、緑が「クリーチャー・カラー」であることの理由です。このことは、ゲームにおいて、いろいろなやりかたで反映されています。最初に、緑は他のいかなる色よりも多くのクリーチャーを持っています。ちょうどオンスロートのコモンカードを見ればいいでしょう。緑には16匹のコモンのクリーチャーがいます。白は13,黒が12,青は11で赤は10です。緑はまた、より大きなクリーチャーがいますし、それは特にコモンで顕著です。最も重要なこととして、緑には、マナの見地から最も効率的なクリーチャーがいます。一般に、あなたはあなたが緑でクリーチャーをプレイすると、マナに見合った以上のものを得るでしょう。
緑は理想のためにではなく、どちらかと言うと生命のあり方のために戦うのです。そんなわけで、緑が色の中で最も精神的であるわけです(最も宗教的というわけではありませんが。緑はその点は白に譲ります)。緑は個人の上に、システムの重要性を強調しています。白の秩序と赤の混沌との間にバランスを取って、緑は自然の二元性を受け入れるのです。自然はときには優しく愛らしい。そして、時には荒々しくて有害である、といった。他のすべての色が世界を変えようと戦っている一方で、緑はそれを同じに保つために戦うのです。
緑は、自然な生き方と自然とを尊重しない存在を受け入れることはできません。緑はそれらの「利己主義者」を危険な存在だと見なして、破壊しようとするわけです。もし、緑とともにいられないのであれば、それに敵対することになります。緑は価値ある友人ですが、しかしさらにいっそう危険な敵ともなります。緑は深くその目的を信じており、慈悲は見せないでしょう。
不自然なものへの嫌悪が、緑のアーティファクトへの憎悪のよって来るところです。これは実際に私たちがカラー・ホイールを研究している間に起こった、重要な変化の1つなのです。私たちが青と緑の敵対関係を調べたときに、私たちは、アーティファクト的な(人工的な)ものへの嫌悪によって、緑の立場がどれだけ明確になるのか理解したのです。オンスロートの《帰化/Naturalize(ON)》は、緑がアーティファクト破壊を中心におくことへの最初の動きなのです。過去にも、緑はアーティファクトへの嫌悪を持っていました。しかしそれは常に白と赤に遅れをとる第3位としてでした。これは変化しています。緑は、フレーバー的に常に持っていた役割を無意識に果たすでしょう。なにか人工的なものを作れば、緑がそれを破壊するでしょう。
話がそれますが、私たちが白をまたもやいじめていると感じている人たちに、ちょっと言っておくことがあります:カラー・パイ(色の配分)の改造は、長い時間をかけて展開されるプロセスになるでしょう。したがって、その動きの一部だけを見て、全体がどうなっているかを判定することはできないのです。最終結果は、現在の色(のバランス)と違ったものとなるでしょう。現在、白と赤は低いし、一方で青と黒が高い地位にいます。私を信じてもらえれば、 最終的にはそれらはすべて対等になるはずです。私たちは、どの色の有効性も放棄しません。また、これらの変更が軽率に行われているわけではないということを強調しておくことも大事だと思います。私たちは変更を正しく行うために、多大な時間を費やしているのです。今日のコラムから、私たちがアーティファクトへの憎悪を緑へと移すことにする前に、いかに多くの努力を行ったか、読みとってもらえれば幸いです。
白において、緑は集団の重要性を理解している仲間の色を見いだします。より大きな視点からの状況では、個人の運命をより重視します。同じく、白は、緑に関連することのできる、非常に平和的で、生命に友好的な態度を有しています。
赤において、緑は本能の重要性を理解している仲間の色を見いだします(赤においては、より一層感情にベースをおいてはいますが)。緑のように、赤はときどき、言葉だけでは不十分な、行動が要求される時だと理解する、野性的な面を持っています。赤はまた、緑に関連づけることのできる破壊的な要素も持っています。
青においては、緑は自然の価値に敬意を払わない敵を見いだします。青は、それ自身の人工的な世界を建設するために、自然のすべてを取り壊すことを望んでいます。青は本能の重要性を尊重しません。彼らは本能よりもむしろ知識に価値をおくことを選んでいるのです。青は、常に過去の暖かさを放棄して、没個性的な冷たい未来を見ているのです。それが緑を破壊する前に、緑は先手を取って青色を破壊しなくてはならないのです。
黒においては、緑は利己的な、利己的な色を見ます。緑は生命のサイクルの重要性を理解しています。そんなわけで、死の役割を尊重しています。他方、黒は、それ自身の目的のために不自然な死を道具として用いるのです。緑が自然を守るのであれば、黒が、そのゆがんだ行動計画によって、すべての生きとし生けるものを殺してしまう前に止めなくてはならないのです。
緑は、大地に結びつけられており、思うがままになるクリーチャーの大部隊を持っています。また、それに大きな力を与える原始の力も用います。緑の生命のあり方の悪い面は、危険を評価する際に、完全にその本能に頼っているところです。つまり、緑は基本的に信用してしまいやすいのです。巧妙に、緑の敵はその世間知らずなところにつけ込むことができるのです。
これは緑の最も大きい弱点の、事実上クリーチャーを処理することができないことにつながっています。人工のものを破壊することには、緑は不安はないでしょう。それはアーティファクトやエンチャントを吹っ飛ばすでしょう。土地を破壊することで、敵をマナから切り離すことさえできるでしょう。けれども、単なる敵のクリーチャーを破壊することはできないのです。少数の例外はありますが、しかし一般的に、緑は他の生きているものを殺さないのです。
さきほど、R&Dでの、カラー・ホイールへの切ったり貼りつけたり(カット・アンド・ペースト)についてお話ししました。この記事の締めくくりに、私たちがその性質において、まず「緑」であったと考えていた単語をいくつかお見せしたいと思います。もし私たちがこれらの名前を持つマジックのカードを作るのであれば、それは緑になると考えていいでしょう。
これはかなり簡単です。この大きな猿は、本能的な欲求によって駆り立てられているのです。
基本的な考え方としてはキングコングと同じです。(※たぶん、ゴジラを単なる巨大生物として扱ってるのでしょう)
猿によって育てられた人間です。ジャングルの王者として、ターザンは彼の動物の友達を、自らの王国で守るのです。
自然の精霊であり、この超自然的な生物が、自然の秩序を守るのです。そうそう、そして彼の体は植物でできているのです。
まず、彼は熊です。そして彼は、自らの絶えざる欲求に駆り立てられ、彼の食欲を満たそうとする(「ハチミツだ!」)のです。
本能的に働く鋭い感覚を持っている野生的な人格の持ち主です。彼はしばしば 狂戦士的な激怒に入ることでも知られています。それに彼は、動物の名(※クズリの意)さえ持っているのです。
特別な超自然な力を与えられた「選ばれし者」。バフィーはハンターで、獲物を探して夜をさまよいます。彼女は、動物的な面を持ち、それは絶えずCouncil of the Watchers(非常に「白」な組織)によって定められた厳密なルールとの間で彼女を揺り動かしています。
さて、以上が私が緑について言わなければならなかったことです。将来のテーマ・ ウィークで、私は他の4つの色のフレーバーと哲学を探求するでしょう。来週は、私がR&Dで働いて楽しかった出来事のいくつかについて回想するでしょう。その時まで、緑の生き物の大群で対戦相手を《踏み荒らし/Overrun(OD)》することを楽しんでいるかもしれませんが。
545 名前: タイ屋 投稿日: 02/11/12 12:58 ID:???
カラー・ホイールの実物(と参照されてた記事)はこちらに。
辞書を引くとwheelで出てくるのは、輪や車輪のほかに、(船の)舵輪とか糸車とか(ルーレットなどの)回転盤てのがあって、つまりは、そういうニュアンスも含まれてると思うので、カタカナで表記してます。
っていうか、日本人がさいころを振るときに「何が出るかな、何が出るかな」と言ってしまうのと同程度には、アメリカ人はテレビ番組のWheel of Fotuneの影響を受けてるから、Wheelと聞いたら、中心から車軸上に線が外に延びてるものを無理なく連想してると思うので、このあたりのニュアンスは伝えようがないという気も。
こーゆーのがあるから翻訳は難しい。