- 原文
- Yawgmoth's Whimsy #47: On Drafting Onslaught
- 著者
- Peter Jahn
- 訳者
- タイ屋
- 投稿日
- 2002-10-31
- 更新
- 2003-06-29
オンスロートは、すべてがクリーチャータイプに関係しています。それが、現在のウィザーズ社が売り込もうとしているテーマです。結果として、さまざまなタイプのクリーチャーが多数います。そのことが、このセットでのドラフトに影響を与えます。
一般的に言って、ドラフトのためにセットを評価する際には、除去とサイズと回避能力とトリックを見ます。特に、コモンやアンコモンのそれらを。私がレアのために使う時間はそれよりは少ないです。もし《Visara the Dreadful/戦慄をなす者ヴィザラ(ON)》のような爆弾が初手にあれば、私はそれを取って黒に進むでしょう。しかし、私はそういったレアカードに基づいてドラフトのためのセット分析をやろうとは思いません。それに、過去の経験によれば、私はカマール(のような爆弾)よりも《Risky Move/危険な移動(ON)》(のようなクズカード)の方をよく引いてしまうでしょうし。
このセットについての私の最初の印象は、重いキャスティングコストのクリーチャーと効果が、多数入っているということでした。一方、より小型のクリーチャーは少ないのです。セット全体のマナ分析(mana breakdown)は実施してないのですが、インベイジョン・ブロックで実行できた手法、セット中の熊(2マナでパワー2のクリーチャー)を掻き集めてスピードで勝つという方法は、とても見込みがなさそうだと考えざるを得ません。熊はどの色でも少なすぎますし、多色化を助けるカード(color fixer)はさらに少ないです。緑は確かに《Explosive Vegetation/爆発的植生(ON)》という良い多色化カードを持っていますが、それは4マナ必要で、しかもアンコモンです。4ターン目にマナを整えて、その色の熊を5ターン目に出す、などという展開では、熊を並べて突進する、というのは無理でしょう。特に、それは大きなビーストが現れるというタイミングでもあるのですから。6/5クリーチャーたちがいる世界で、2/2でビートダウンするというのは成功しないでしょう。
2つの色、つまり黒と赤のゴブリンとゾンビのデッキであれば、速度によるアプローチが成功するように見えるかもしれません。しかし、私はそれも計算できないです。多数の小さなゴブリンたちは、多数のパワー1の兵士とクレリックを擁する白いデッキと遭遇した時に本当の問題に直面することでしょう。また、緑使いたちは大型クリーチャーをなかなか早く出してくるでしょうし、1/1クリーチャーと《Shock/ショック》ですべてのファッティを確実に殺せるようにするだけの火力呪文が転がっているわけでもないのです。
純粋な速度だけでは不十分ならば、次のステップは回避能力を見ることです。青には、2,3のブロックされない連中と、他の軽量クリーチャーをブロックされなくするコモン《Crafty Pathmage/狡猾な抜け道魔道士(ON)》がいます。このカードは、いくつかのほかのカード、特にレアとコンボになりますが、単体では特に素晴らしいというわけではありません。幸いにも、ここには《Nantuko Shade/ナントゥーコの影(TO)》がいるわけではないので、10/10になるブロックされないクリーチャーを心配する必要はないのです。もっとも、ブロック宣言後にクリーチャー1体を+2/+2することのできる効果ならば、たくさんあるのですが。しかし、セット全体でドラフトできるカードが330枚(350マイナス基本地形20種)あり、そのうちのクリーチャー1枚だけでは、それについて心配しなくてはならないほど多く出現するわけではないでしょう。もっとも、あなたがそれを取れたのであれば、それはそれでいいでしょうが。
回避能力のもう一つの主な形は飛行です。赤は2つの妥当なフライヤー(コモンの1/2ととてもよいアンコモンの2/2と、それから深刻な欠点を持つ2/3)があり、黒は3/2のアンコモンの禿鷹とコモンの2/2がありますが、それだけです。フライヤーの団体は、予想通り、白と青にいます。これがリストです。
非常に多くのフライヤーが、プレイするのに色マナ2つを必要とします。したがって、それらはタッチ色では使えません。コンセプトで見て、青白デッキでフライヤーをたくさん入れたものはなかなか強そうに見えます。しかし、それを組むのに失敗するかもしれません。白と青が、空から殴り勝つ一方で、地上を固めるだけの壁かコモンの1/3や1/4の生物を持っているというのはなさそうに思えるのです。ダメージ軽減を大量に手に入れることができたクレリックデッキならばそれをできるかもしれませんが、私には、テーブル中で青白使いが一人だけという状況でなければ、フライヤーとダメージ軽減の両方を手に入れるには、相当な幸運が必要だと考えます。
青の打ち消し呪文は、ある程度まで壁の代わりになることができます。空から勝てるだけの間、何枚かのバウンスと除去とクリーチャーとでファッティを遠ざけていることは可能かもしれません。このフォーマットでは、キャスティングコストが重いカードがとても多いので、新しい《Mana Leak/マナ漏出(ST)》はおそらく何かを止められるでしょう。また、ちっちゃな魔力の乱れ(7E)使いもまた、オーケーです−−少なくとも、ビーストをスローダウンさせるでしょう。新しい4マナのカウンター呪文兼ライブラリー操作である《Discombobulate/まごつき(ON)》もオーケーです−−たいていの場合、対戦相手は4ターン目に致命的なダメージになるものを場には出してないでしょうから、あなたは4ターン目まで、カウンターを使うのを待つことができます。しかし、それは唯一の確実なカウンターで、しかもアンコモンなので、そうたくさん見ることはできないでしょう。
見えている魔力の乱れと、マナ漏出と《Unsummon/送還(7E)》とアンコモンの4マナのカウンター呪文は書くに値しますが、しかし、多いとは言えないです−−特に、330種のドラフトできるカードがあるセットにおいては。8人ドラフトは360枚のカード(8人×15枚×3パック)があります(アンコモンだけなら72枚)−−1枚だけでもまごつき(ON)を見られる確率は、相応に低いものとなるでしょう。
私が青と白が地上を支えられると断定できない理由は、赤と黒よりは、主に緑にあります。緑はいくつかのかなりやり手のクリーチャー(serious beef)がいます。緑のビーストは本当にとても強いです。この短い緑のビーストのリストは、あなたがドラフトでいつも見ることになるものに近いでしょう。
明らかに、こんなクリーチャーのセットをプレイするなら、誰だって18枚以上の土地と何枚かのマナ加速をプレイしようとするでしょう。しかし、緑はまた、エルフのリストも持っています。そこには何がしかの有能な能力を持つものと、なにかしらのマナ加速とが、かなりの数で含まれています。
緑は、4ターン目に4/4を出すだけの、妥当な能力を有しています。そして、それにすぐに続く、より大きなクリーチャーたちも持っているのです。
さて、過去においてはファッティは強かったですが、多数の除去がまた、待ち構えていました。除去呪文の質は、かつてよりも低下しています。このセットは、コモンの1対多交換をとれるカード、例えば《AEther Burst/霊気の噴出(OD)》や《Arc Lightning/弧状の稲妻(UZ)》、あるいは《Reckless Spite/無謀な悪意(TE)》が含まれていません。実際に、大型攻撃用生物を厄介払いすることができるカードはとても少ないのです。ここには、Terminate/終止(PS)もSlay/殺戮(PS)も、存在してないのです。
要約しましょう:ここには6/5のビーストを除去できるカードは1枚、《Cruel Revival/残酷な蘇生(ON)》だけです(オーケー、さらに2枚あります。しかし場に5体の兵士かゾンビが必要です)。残酷な蘇生(ON)はタッチでも使えるので、誰もがこれを早期にピックすることになると予想します。残りの除去は、いずれもシチュエーション次第か、限定的なものです。その結果として、私は、ファッティへの回答として除去は不十分と見ます。
ゲームの初期、大量のマナを持ってない状態では、バウンスやアタッカーをタップできるのは、たった2枚のカードだけです。もっと後、誰かが8マナとか12マナとかある状態でならば、《Crowd Favorites/群集の寵児(ON)》は複数のクリーチャーをタップできます。しかし、白デッキが8とか12とかのマナを得るというのはどうすればいいのでしょうか? 白があまりドラフトされず、大量の軽減系と壁とを手にすれば、たぶんなんとかなるとは思います。しかし、もしそれらを一人占めできなかった場合、私はそのデッキが大型攻撃クリーチャーを、十分な期間くい止めておくことができるとは見込めないのです(もちろん、もし5人のプレイヤーが緑を取合うようなドラフトであれば、彼らもひどいデッキにはなるでしょうが)。
戦闘での完全な不意打ちとして使えるトリック・カードは、3枚だけのように思われます。《Inspirit/奮起(ON)》《Primal Boost/原初の支援(ON)》《Tribal Unity/部族の団結(ON)》 そして、2枚は緑で、残りのトリックは白のクリーチャーですから、あなたはそれが作動する前に、場にいるのを見ることができます。
要するに、大多数のオンスロート・ドラフトでは、クリーチャーをたくさん見かけて、除去はあまり見られないということになるでしょう。もし、すべてのクリーチャーが2/2か3/3だというのに近い状況だったマスクス・ブロックでそんなことになれば、それはクリーチャー(の並んだ)膠着状態を意味したでしょう。このセットでは、コモンの6/5クリーチャーがあり、最大では9/9クリーチャーまでいるので、そんなに膠着した状況は見ないでしょうが。加えるに、ウィザーズは、クリーチャータイプやいろいろなレアカードから大きな利益を得られるようにしています。テーマデッキをドラフトすることは、それほど重要ではないかもしれませんが、助けとはなるでしょう。以下は、レアリティと色に基づく、クリーチャータイプの分析です。オンスロートのシールドのイベントでも、役に立つかもしれません。
Total |
Common |
Uncommons |
Rares |
|
|---|---|---|---|---|
Soldier |
19 |
9: (8W, 1U, ) |
7: (7W) |
3: (3W) |
Bird |
14 |
6: (2W, 3U, 1B) |
5: (2W, 1B, 2R) |
3: (3W) |
Cleric |
26 |
9: (6W, 3B) |
10: (5W, 5B) |
7: (4W, 3B) |
Wall |
3 |
1: (1U) |
2: (1W, 1G) |
|
Wizard |
22 |
6: (6U) |
10: (1W, 8U, 1R) |
6: (5U, 1R) |
Beast |
29 |
11: (1U, 2B, 2R, 6G) |
14: (1U, 2B, 7R, 4G) |
4: (1R, 3G) |
Elf |
17 |
10: (10G) |
5: (5G) |
2: (2G) |
Illusion |
6 |
2: (2U) |
3: (3U) |
1: (1U) |
Zombie |
20 |
9: (9B) |
6: (6B) |
5: (5B) |
Goblin |
16 |
9: (1B, 8R) |
3: (3R) |
4: (4R) |
Centaur |
1 |
1: (1B) |
||
Insect |
4 |
1: (1B) |
1: (1G) |
2: (2G) |
Dragon |
2+* |
2+: (1U, 1R*) |
||
Barbarian |
1 |
(1B) |
||
Nomad |
1 |
(1W) |
||
Rebel |
1 |
1: (1W) |
||
Cephalid |
1 |
1: (1U) |
||
Angel |
1 |
1: (1W) |
||
Cat |
3 |
3: (1W, 1B, 1R) |
||
Giant |
2 |
2: (1W, 1B) |
||
Mutant |
1 |
1: (1U) |
||
Shapeshifter |
1 |
1: (1U) |
||
Mercenary |
1 |
1: (1B) |
||
Gorgon |
1 |
1: (1B) |
||
Demon |
1 |
1: (1B) |
||
Specter |
1 |
1: (1B) |
||
Dwarf |
1 |
1: (1R) |
||
Orgg |
1 |
1: (1R) |
||
Ogre |
1 |
1: (1R) |
||
Druid |
3 |
1: (1G) |
1: (1G) |
1: (1G) |
Spider |
1 |
1: (1G) |
||
Elemental |
1 |
1: (1G) |
||
Basilisk |
1 |
1: (1G) |
||
Wurm |
2 |
2: (2G) |
||
Avatar |
5 |
(one each color) |
||
Lords |
5 |
(one each color) |
||
Golem |
1 |
1 (artifact) |
さらに3つのトークン製造器があります。《ドラゴンの休息地/Dragon Roost(ON)》《ケンタウルスの地/Centaur Glade(ON)》《動員令/Mobilization(ON)》(訳注:あと、《Riptide Replicator/激浪の複製機(ON)》《Words of Wilding/野生の言葉(ON)》がある。見落としだろう)
セットに関する別の考え方 : インベイジョンは、みんなに多色デッキをドラフトする事を教えました。オデッセイはそれほど強く多色指向にデザインされていたわけではありませんでしたが、それでもセットには、生け贄にすると何色でも出せるコモンの土地がありましたし、キャスティングコストに色マナ1つしか必要としないカードも多数ありました。
オンスロートは、そんな風には見えません。オンスロートには色マナ2つを必要とすることがたくさんありますし、緑以外にはマナサポートもありません。複数の色マナを必要とする多数のキャスティングコストと、マルチカラーの土地がコモンに存在しないことで、2色を均等にドラフトするとか、2色にタッチで3色目を足すというのは、今までよりは成功しないでしょう。緑ベースのデッキだけが、それから逃れることができるかもしれません−−もし彼らが少ないマナサポートを多数手に入れることができたならば。他の色は、一つのメインカラーと、もう一つの散らす色、という構成にせざるを得ないでしょう。そう、ウィザーズが各パックでの各色のカード枚数を比較的一定に保つのであれば、我々はシグナルを再び送り始めることができるのです。旧派のドラフトがそうだったように。
オンスロートのドラフトでは、しかし、すべての爆弾や、どの色のカードでも変異付きの優れたカードを、ヘイト・ドラフトするようになるでしょう。もしあなたがその色が出せなくて変異を表にできなくても、変異のカードはいつでも3マナ2/2として使えるのです。これは手ごろな−あまり重要ではないとしても−クリーチャーになりますし、それにそのクリーチャーを対戦相手にフルパワーで使われてしまうよりは、明白に優れています。ふつう、ヘイト・ドラフトというのは上手くないのですが、しかしこのセットにおいては、ずっと一般的となるでしょう。
なんとなく翻訳したスターシティの記事。現在では非常に優れているという記事とは感じないかもしれないが、この記事が登場したのは一ヶ月も前。この人はインターネットライターとしてはそこそこ見かけるし、自分も嫌いではないが、飛びぬけて優秀というほどではないと思う。
それでも新セットのリリースの直後にこのクラスの分析を書いているわけで、やっぱり海外の方がリミテッドが盛んな理由の一端を見た気がする。