- 原文
- 8E and the Starter Game
- 著者
- Randy Buehler
- 訳者
- M
- 投稿日
- 2002-07-30
- 更新
- 2003-06-29
2ヶ月前、8版について語り始めたとき、私はこう言った。「多くのプレイヤーが歓迎しないようなカードでも、スターターゲームに必要なカードはこのセットに入れなきゃね。」「マジック初心者は、初めはただの1/1クリーチャーを場に出すべきなんだから、Eager Cadeのようなカードがコモンスロットに入るだろうね。」
それからというもの、この問題について様々なサイトに驚くべき数の意見が寄せられ、このテーマについて書かれたあらゆる記事に興味を惹かれたよ。R&Dは、こういった強硬な意見に対してこんなに反響があるとは予想だにしていなかった。そんなわけで先週の投票で問いかけたんだ。
この投票結果が、R&Dにこう考えさせるようになった:「ひょっとすると、これは一部の口やかましいプレイヤー達が我々の発言で動転して騒いでるだけじゃないかもしれない。我々が初めに考えていたよりも遥かに多くのマジック関係者がこの問題を重視しており、この問題のことが世に広まって多くの人々の注意を惹くようになったがために、予期していたよりも長引いているんじゃないか。」
このコラムを使ってこの問題について掘り下げて見たい。もっともな非難がある一方で、同意しかねる非難もある。手短かに言えば、8版については我々がこれまでに従ってきたことと違うやり方を決意したということなんだ。
マジックにそんなシンプルなカードはいらないと主張する人々がいる。こういう人々は間違っている:私はマジックミラーに隠れて、マジックを知らない人間がスターターを渡されて、やってみろと言われるシーンを見てきた。初心者のほとんどは遊び方を知っている人間に教わることができるとはいえ、全てのプレイヤーがそんな幸運なわけじゃない。カードのテキストとイラストだけでこのゲームの遊び方を理解しようと思ったら、絶対に挫折するだろう。
我々は、初心者が簡単に遊び方を理解できるように何年も努めてきたし、7版のスターターで初めて、実際に初心者に対して良いものを提供できたと感じた。我々は初心者のために、ルールブックを薄くしていき、絶対に必要なときに限り基本コンセプトだけをを述べるにとどめようとし始めた。
例えば、パワーの値がタフネスと異なるクリーチャーはとても難しい問題だね。パワーのでかいクリーチャーがパワーの低いクリーチャーを打ち負かす方がわかりやすい。そんなわけでEager Cadet君やKnight Errant君は大歓迎だ。(実際にはKnight Errantは問題を起こしたりもした。12歳の子供がみんなErrantを発音できるわけではなく、ただの「Knight」言ってスタックに乗せたりもしていた。)
色マナが複数あるスペルも常についてまわる問題なので、色マナ1つのスペルしか入れなかった。もちろんそれでもファッティーは欲しかったので、ゲームの楽しみ・味付けとしてできるだけ投入した。ほら、Trained OrggやVizzerdrixをテーブルに叩きつけてゲームを支配できれば楽しいからね。
誤解しないで欲しいんだが、別にEager Cadetをもっとデッキに入れて欲しいわけじゃない。ちょっと使ってみれば、」すごくいいクリーチャーじゃないってことがわかるからね。それにTrained Orggを愛して欲しいってわけでもない。(相変わらずTrained Orggが好きだってプレイヤーもいるけど。)誰もこれ以上そういうカードを使いたくないとしても、初心者のためのスターターゲームでは必要不可欠なカードなんだ。そういう初めの数ゲームが、一見さんが常連さんに変わる可能性という意味で非常に重要なんだ。一方、もし我々がゲームの面白さにこういったカードが本当に必要だと信じていないなら、なぜこういったカードを使っているマジックプレイヤー達のことで悩むのだろうか? ここ数年で我々のそういった信念を裏付ける市場調査結果を得られている。
いずれにせよ、そういうわけでスターターにはそういったカードが入る。(そしてこれからも入り続けるだろう。)
我々がスターターゲームボックスを完全に8版と別のものにしてしまうのではないか、という人々がいる。2年前に7版を編集していたとき、Eager Cadetを基本セットに入れても不満を言う奴がいるだろうということはわかっていたが、それでもスターターゲームのカードがトーナメントで使えるということが我々にはとても重要だったんだ。初心者が地元の大会―とりわけFriday Night Magicのような大会―に「スタンダード」の意味も知らず、どんなカードが使えるのかさえ知らずに参加するなんてのは本当によくあることだったんだ。そんな子供たちが、デッキにVizzerdrixが入ってるからってFriday Night Magicからつまみ出されないようにするための一番簡単で一番スマートな方法は、まさしくそのカードを基本セットに入れてしまうことだったのさ。
我々は、スターターゲームを1つのセットとし、12枚程のカードをスタンダードに追加するという案を少し検討したが、今はまだポータルという大失敗を乗り越えようとしている最中だし、新しいアイデアのスタンドアローンスターターが「第二のポータル」と呼ばれるんじゃないかと恐れていた。言い換えると、初心者がつまづくのは7版までにして欲しかったから、初心者達に「本当の」カードで遊んで欲しかってことなんだ。我々はまた、Volcanic Hammerのようにプレイヤーがトーナメントで使いたいと思うようなスターターゲームのカードを、シングルで買わなきゃいけないのはおかしいと思っていた。
私が述べたように、我々は否定的な反響も少しはあるだろうと思っているが、そんな不満は今まで挙げたようなカードを基本セットに入れるという正しい行動の前には十分無視できる程の不満に過ぎないと思っている。今では7版でやっちまった誤算をわかっているし、8版に対するアプローチを変化させてもいる。(君達からのeメールを読むと、特にレアのスロットにTrained OrggやVizzerdrixが入ることが不愉快らしい。うーん、怒るのも理解できる。それに関してはすまないと思うけどね。)
我々のニュープランではスターターを8版の“拡張”として扱う。スターターに入っているカードは全て8版の一部とし、スタンダードで使えるものとする(もちろん8版がスタンダードで使える間に限り)。しかし、ブースターパックには入っていないスターターのカードがあり、それらはセット総枚数には数えない。例えば、Vizzerdrixはスターターには入っているが、ブースターにはVizzerdrixのスロットに別の青のレアカードが入っているだろう。
8版のディベロップメントチームと私はスターターゲームの作業と、それに含まれるどのカードが8版本体収録に値するか決めるという作業をやり終えた。我々のしたこと、例えば8版の一部、は構築戦にインパクトを与えるはずだが、Eager CadetやVizzerdrixはそうはならないだろうね。面白い話を生んだ2枚のカードがある:
Giant Octopusは奇妙なケースの1つで、実際8版に入れるには良すぎるカードなので“S-series”のカードとして存在した。(“S-series” とは私が勝手に名づけた呼び方で、実際にどう呼ぶかが決まるまでの仮の呼び方だけどね。我々はまだ用語やコレクターズナンバーなどの細部に関しては終えてなかったから)漫画でGiant Octopusを描いたアーティストに、人々にGiant Octopusがプレイヤーの首を絞めているイラストを提供することでGiant Octopusが対戦相手を(対戦相手がコントロールするクリーチャーではなくて)直接攻撃できるということを教えさせることができたので、Giant Octopusの漫画からゲームへの導入は驚くほどうまくいった。それでも“Hill Giant”は青にあるべきではなかったけどね。プレイヤー達は7版でのドラフトでは、良質のクリーチャーを擁する青をドラフトし、そのことで本当に悩んだよ。我々がスターターゲームに要求したようなシンプルなカードは様々な色のカードが作りだせるような“フレーバー”を作り出すことはないし、我々の新しいプランによって、7版では青の地上クリーチャーは他の色のクリーチャー程質がよくないということを確認できたのが嬉しかった。
Vengeanceはおかしな理由で紆余曲折したカードだ。“対象の、タップ状態のクリーチャーを破壊する”という能力は白らしからぬメカニックだ。しかし単純なソーサリーはスタータゲームにはぴったりだ。次回もスターターゲームににはぴったりだろうが、セット自体にはなんの味付けももたらさないだろう。
R&Dはネット中で議論された問題の全てを公表するつもりはないので、このようなありふれた反応はしないで欲しい。我々が君達が嫌がることをするための論拠の方が、君達がそれをやめて欲しいとする論拠よりもこのゲームにとってはプラスだ、と判断するときがある。そんな場合でさえ、我々が目的を達成するまでに君達の関心事と調整し和解する方法がある。私がただ1つ望むことは、将来どんな問題が持ち上がろうとも、それが簡単に解決できるものであって欲しい、ということだ。
私はここ二週間、読者の全員が気にかけているわけではないがとても興味深い問題、に時間と労力を費やしてきた。Reprint Policyとスターターゲームの両者とも、ある人々にとっては重要で、そういう人々が扱ってきたということが私は嬉しい。しかし今や私はもっと一般的で面白い、ウォーストーリーのディベロップメント、のような仕事に戻るということをここに約束しよう。
当ページは、2ちゃんねるの卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。