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ジャッジメント・リミテッド・レヴュー:青

原文
Judgment Limited Review: Blue
著者
Gary Wise
訳者
高潮の翻訳者
投稿日
2002-05-26
更新
2003-06-29

これはジャッジメントの限定戦カード・レヴューの2回目だ。

青:総括

このところは青魔法使いには決して悪くない世の中だ。他の色はどれも、ひとつ好い面があってもだいたい裏返せば欠点があるもんだが、青はそうじゃない。青はいつも強く見える。

青の安定した強さは二つの基本的な要素に支えられてる。カード・アドヴァンテージと、回避能力だ。最高の飛行クリーチャーはいつも青いし、ドローカードも然り。墓地を肥やす能力でも、青は常にずば抜けてる。トーメントは黒のセットだったし、ジャッジメントは白緑のセットだが、そんなことはお構いなしだ。

ジャッジメントの青のカードには、コストの割にでかい、様々なナイトメア能力を持つクリーチャーたちが含まれている。このナイトメアたちは青緑や青白デッキの能力の可能性を伸ばし、青黒デッキはよりボード・コントロールをしやすくなった。いくつかの“爆弾”レアと、二種類のゲームを左右する力があるキャントリップのカウンターがあるこの色は、デッキのメイン色としてもサポート色としても、好い仕事をしてくれるだろう。

個々のカード

Spelljack / 呪文乗っ取り

ラッキーにも、俺はこいつをここロンドンのプレリリースで引き当てた。で、今まで記憶にあるどんなカードよりも多く、この呪文の効果についての間違った解釈を聞かされ続けた。

ごく簡単に言や、こいつは呪文をいっこカウンターして、それをリムーヴする。で、その呪文はマナを払わずにいつでもプレイできるようになる。その日一日でおれは《投鎖獣》と《Chastise》と《カマール》と《寄生牙のドレイク》と《虹色の断片》を《呪文乗っ取》って、あげくにそれを何度か《公証人》で拾いさえした。

これが打てるマナが揃ったら、こいつがそのゲームを勝たせてくれる。もしブースタードラフトで出てきたら、絶対に誰にも見せちゃいけない。こいつがあるとわかれば、対戦相手はこれを避けるようにプレイするし、毎ターン6マナ余らせとくなんてプレイはできっこないから。

セットの中でも、最強かも知れないカード。

Wonder / 不可思議

2/2飛行の最大の問題点は死にやすすぎるところにあるんだが、こいつにはそれがあてはまらない。対戦相手は決してこいつの死ぬところは見たくない筈だからだ。1体や2体の飛行クリーチャーでも普通は充分やっかいで、4、5体かそれ以上ともなれば全力でそんなことが起きないようにすることだろう。

だが残念ながら、それを防ぐためにできることはあんまりない。

覚えておこう:こいつをインスタントタイミングで捨てることで、クリーチャーが全部飛行を持つ。戦闘時にいいトリックになるだろう。

Scalpelexis / 切除するもの

もし対戦相手が黒いデッキじゃなければ、タフネス5の飛行クリーチャーに対処する手がなにかあるか? 大抵の場合はない。対処されなければ、《切除するもの》は坂道で樽を転がすみたいな勢いで対戦相手をいわせてくれるだろう。こいつの能力は《丸砥石(TE)》にちょっと似てるが、かのアーティファクトとは比べものにならないほど強い。最低4枚、しばしば8枚、時には12枚ないし16枚をライブラリーから削り取り、しかも墓地に落ちてるカードがものを言うこの環境において、削ったカードを取り除いてしまうのだから。40枚デッキにとって、8枚とか12枚とか言う数字は戦慄すら覚えるほどの数だ。さらに環境中の殆どの飛行クリーチャーをブロックして生き残るタフネスを考えたら、こいつはとんでもねえカードだ。パワーが低いんで、6月ぐらいまでは「3、4手目ぐらいかなあ」なんて思われるかも知れないが、7月になったら誰もがこれがどんなに強いカードか思い知るだろう。

訳注:7月から構築戦リーガルになるからなのか、単に時間の問題なのか不明。

追記:単に時間の問題と考える方がよさそう。

Wormfang Crab / 寄生牙のカニ

まず真先に言っとこう、このカニにはエラッタが出てる。取り除くパーマネントを相手が選ぶ際に、このカニ自身は選ぶことができない、という風に訂正された。さて、「ひとり無限ループ」がなくなってみると、こいつはどえらいクリーチャーだ。確かに、こいつの次に大事なパーマネントは失われちまうが、ブロックできないわタフネスは6もあるわ、こいつを止めるのは殆ど無理だ。

4ターン目に最初のクリーチャーとして出すのがベスト。そうしたら相手は土地を取り除くことを選ぶしかない。まあ、何時出たとしても、このカニが相手にとって命に関わる脅威であることは間違いないが。

Wormfang Drake / 寄生牙のドレイク

3マナ3/4飛行……額面だけ見れば素晴らしい。ま、確かにこいつには相当きついデメリットがついてるんだが、この能力をプラスになるように使うこともできなくはない。187クリーチャーを手札に戻すとか、やっかいなエンチャントをつけられちまったクリーチャーを助けるとか。もちろん、状況によっちゃこいつが手札で腐ることもあり得る。だが、同じことが言えた《洞窟のハーピー》や《銀のドレイク》も、おれの記憶が間違ってなきゃ結構好いカードだった。

ごく単純に、「3/4飛行」だけ考えれば、即座に対処できなきゃあっという間にとりかえしのつかないほどのダメージを与える力がある。失うクリーチャーについては心配するな:どうせいずれ帰ってくるのだから。

Aven Fogbringer / 霧に包むエイヴン

おれはこのカードが大好きだ。こいつの力は入ってるデッキのタイプにもよるんだが。青白のコントロールデッキなら、デッキの命題は「地上を止めて、空中からぶん殴る」に決まってるわけで、そん中ではこいつは《薄暮のインプ》より時間を稼いでくれるぶんちょっとだけまし、って程度。一方、青緑のテンポ・デッキなら、こいつが4ターン目に土地を一枚戻してくれるのは素晴らしい効果だ。で、どっちに入ってたとしても、厄介なエンチャント(土地)カードを除去できる能力も考えあわせると、こいつはかなり手堅いカードだ。どんなデッキにも入れたくなるだろう。

Wormfang Behemoth / 寄生牙のビヒモス

青使いが5/5クリーチャーをプレイできる機会はあんまりない。このビヒモスは憂鬱なほどのデメリットつきでその機会をもたらしてくれる。しかし、他の重要なカードを使い切るまで手札に持っておけば、そのデメリットは回避できる。ひとたび場に出れば、ビヒモスは相手にとって明確な脅威になる。だから、当面大して必要でないスペルなら、ビヒモスに喰わせることをためらうな:早晩それは取り戻せる。数ターンのうちにビヒモスが死ぬか、さもなくば相手が死ぬからだ。

Lost in Thought / ぼんやり

青い《カーターの願望》。こいつはシステム・クリーチャーも封じてくれるので、その点まさってる。《陰謀団の拷問者》や《投鎖獣》なんかに対して、青使いは対処法を得たわけだ。対戦相手が墓地のカードを3枚取り除くと、封じた筈の奴がそのターンだけ動き出すってのが欠点だが、墓地のカードを取り除くカードが色々あるこの環境じゃ3枚ってのは大量だ。スレッショルドやフラッシュバックを考慮すりゃなおさら。とても手堅いカード。

Keep Watch / 見張り番

うーん、こいつは評価がえらく難しいカードだが、おれの勘ではこいつはいけると思う。クリーチャーをいっぱいプレイできる(《ドングリの収穫》とかで)青緑に入れるのがベストだが、青白でも強い。ある程度のボード・コントロールを握ってれば、こいつは1枚で2枚のカードを引かせてくれるだろう。ただ、パーマネントに全く働きかける能力がないカードをデッキに入れることにはなってしまう。もし《ドングリの収穫》2枚とか、もっといいのは《金切るときの声》2枚とかがあれば、こいつが勝利を近付けてくれるだろう。

Mirror Wall / 鏡の壁

こいつはでけえ! 青は突然ファッティの色になっちまった。4マナ3/4なんて、大抵の緑のクリーチャーよりでかいぞ。この順位付けになってるのは、白マナが出せてこいつが攻撃に参加できることが前提だが、どっちにしても青は空から殴りに行く色なわけで、こいつを投入して地上戦線を膠着させるってんでも充分な働きだってのは頭に入れとくべきだろう。

Wormfang Turtle / 寄生牙の亀

似たような能力の《寄生牙のイモリ》は水準に届いてないが、この亀はデメリットに見合う力がある。タフネス4は前がかりなデッキにとってはかなり厚い壁だし、3マナで出せるってのはそういうデッキを相手にしても充分なスピードだ。確かに、マナの揃う速度は1ターン遅くなる。が、亀の防御力はそれ以上のターンを稼いでくれるだろう。

Flash of Insight / 洞察のひらめき

ライブラリー操作はリミテッドではお買得な能力だ。“爆弾”カードを探し当てる能力は何物にもかえられない。というわけで、こいつは使える。《衝動(VI)》みたいに――まあ比べるのはちょっと気の毒だが――ゲーム序盤で土地を揃えるのには使えないが、中盤になればこれ一枚でゲームを決める可能性もある。

墓地操作カードがえらく多いこの環境じゃフラッシュバックはちょっときついが、普通に一回打つだけでも充分だ。

Grip of Amnesia / 忘却の掌握

対戦相手に選択権がある類のカードはあんまり好きじゃないんだが、テキストの最後に「カードを1枚引く。」って書いてあれば話は別だ。仮に相手の墓地が空だったとしても、こいつは悪くない。カードを一枚引いて、墓地にも一枚落とせるんだから。で、もし相手の墓地にカードがあって、それにフラッシュバックやインカーネーションが混ざってたりした日には、これを打ち消すために墓地のカードを全部取り除くってのはおそらく高くつき過ぎる。そうなると、《掌握》は呪文をひとつ打ち消して、カードを一枚引かせてくれる。こんなカードがたぶん6手目とか7手目でも取れる。結構いいんじゃないか?

Quiet Speculation / 物静かな思索

当たり前だが、こいつの強さは使いたいフラッシュバック・スペルがデッキに何枚入ってるかによる。でも、この環境にはフラッシュバックはたくさんあるんで、活用するのは難しくないだろう。もしフラッシュバック・スペルをたんまりドラフトしてるんなら、この表より上の順目でとっても全然構わない:1対3が悪い取り引きの筈はないんだから。

Cephalid Inkshrouder / 墨吐きセファリッド

墨吐きはいろんな能力がある。ブロックされなくもできるし、アンタッチャブルにもできるし、マッドネスやスレッショルドにも貢献する。だけど逆に、この環境には1点飛ばしてきたり−1/−1を与えてきたりするパーマネントが山ほどあって、そういうのにはとことん弱い。この両面を考えると、まあ平凡なカードだ。大抵デッキには入るが、所詮は3マナ2/1、ぐらいに思っておこう。

Telekinetic Bonds / 念動の結合

こいつは全くすげえカードだが、ここまでランクが低いのは、重くて色拘束がきつくて起動にもマナが要るからだ。これだけでゲームに勝つほどの力はあると思うが、すごく限定された状況が必要だし、実際にはそんなことにはなりそうにない。もし青が多くて有用な共鳴者がいっぱい入ってたら、《念動の結合》を入れてみてもいいだろう。つぼにはまれば絶対に勝てる筈だ。

Mist of Stagnation / 淀みの霧

このカードがこんなに上にいて驚いたかい? 《淀みの霧》は確かに使い方のえらく難しいカードだが、しかしデッキタイプによっちゃこいつはやってくれる。おれの中では《卑怯(MM)》とほぼ同じ位置付け。5マナの青いエンチャントで、環境にマッチしてて、単独でゲームに勝てる力がある。《物あさり》とかその手のカードで墓地を肥やして、《代言者》で相手の墓地を空にすれば、ロック完成。そうなっちまったら、相手ができる抵抗は殆どないだろう。

Mental Notes / 留意

ここ二年でリリースされた1マナのキャントリップの中でも、ひょっとすると最高。墓地を肥やす力は《入念な研究》と同じで、カードを損しないとなれば、悪いはずがない。もしデッキの中でスレッショルド・カードやフラッシュバック・スペルが重要な位置を占めてたら、ぜひこいつを1、2枚忍ばせたい。そうそう、自分のデッキの最高のカードを自分で削っちまうんじゃないかって心配してる奴に言っとくが、25〜30枚のデッキからそれを引き当てる確率はかなり低い。で、どっちみち手札にも来てないものは「失くす」こともできないんだ:持ってもいないものを、失うことはできない。

訳注:ライブラリから引いてこないままゲームが終わるのも同じことだから、心配するだけ無駄だ、と言いたいのだと思う。

Laquatus's Disdain / ラクァタスの侮蔑

コントロール・デッキをプレイしてる時、フラッシュバックされたスペルをカウンターすることは、結果的にカード・アドヴァンテージを失うことになっているという問題がある。しかし《ラクァタスの侮蔑》なら安心だ。カウンターした上にキャントリップもついてる。問題は、どのデッキにもフラッシュバック・スペルが入ってるとは限らないし、《侮蔑》が手にある時にキャストしてくるとも限らないこと。つまり、このカードをデッキに入れるのはリスキーだ。

もしデッキにディスカードをコストとして要求するカードが入ってたら、メインから入れてもいいだろう。そうでなければ、強力なサイドボード候補だ。

Envelop / 被覆

このカードは長所と短所が極端だ。好いところは、コストが劇安で、効果が絶対的で、ジャッジメントを8パックも開けりゃ1枚ぐらい回ってくるだろうとこ。悪いところは、相手のデッキにソーサリーが入ってるとは限らなくて、そうなると完全に手札で腐るし、入ってたら入ってたでそれは結構な確率でフラッシュバックがついてて、そうなるとこいつじゃ不十分なとこ。《踏み荒らし》とか《降り注ぐ塊炭》とか《カーターの怒り》みたいなソーサリーの爆弾カードに対する素晴らしいサイドボードだが、残念ながらそれ以上のものにはちょっとなりそうにない。

Hapless Researcher / 不運な研究者

こいつは場に出たところで大きな存在感があるわけじゃないが、デッキに入るかも知れない小さな利点がいくつかある。

  1. 1マナ域を埋めてくれる。
  2. 2枚のカードを墓地に落とせる。
  3. もっとコストの高いタフネス1のクリーチャーと相打ちできるかも。
  4. マッドネスに使えたり。
  5. 使えないカードを他のカードに取り替えられる。

まあ、この5つを全部足してもデッキに入ることは保証されんけど、少なくとも考慮には値するカードだろう。

Wormfang Newt / 寄生牙のイモリ

青の2マナ2/2クリーチャーってのはすごく珍しくて、大抵はお買得なんだが、こいつのデメリットは序盤にはきつすぎる。青いデッキが低コストのクリーチャーをデッキに入れるのは、序盤の相手の攻勢を鈍らせてコントロールを確立するまでの時間を稼ぐためだ。しかしこのイモリ野郎は必死になって中盤まで持ちこたえようとするこっちの足を引っ張っちまう。デッキに入らなくはないが、できれば使いたくないと思うだろう。

Web of Inertia / 惰性の網

これが役に立つことはあんまりないし、一旦そうなったとしても相手はいつでも墓地にカードを落とせるわけで、まあ大して使えるとは思えない。相手の墓地を空にすることに特化してるデッキであれば、あるいは役に立つかも知れない。

Defy Gravity / 反重力

ジャッジメントでサイドボード・インした最初のカード。こいつは手頃なコストの手堅いトリックで、相手の飛行戦力がデッキの他のカードじゃ手に余る場合には役に立つだろう。青緑デッキで《かそけき翼》が取れなかった時なんかも、こいつが代わりになってくれる。まあ、メインよりサイドに置いとく方が多いだろうが、お呼びがかかったらいい仕事をする筈。コストにディスカードを要求するカードがあれば尚更だ。

Cephalid Constable / セファリッドの警官

こいつにはかなりの潜在力がある。確かに死にやすい。コストも重い。だが、ひとたび生き残って回避能力がついたら、ゲームに勝てるだけの力がある。《警官》の力を活かすには、やるべきことはふたつ:まず、バウンスをいっぱいドラフトして、こいつのために道を開けてやる。で、クリーチャーを強化するカードをドラフトして、こいつの脅威を増す。もし相手が2/1で《警官》をブロックしたとこに、《森の力》2枚を決めてやったらどうなる? あるいはこのナイスガイに《Unquestioned Authority》をエンチャントしたら? もちろんいつもデッキに入るなんて言わない。つうか、レギュラーには程遠い。が、もし力が活かせるデッキが組めれば、こいつが勝利をもたらしてくれるだろう。

Wormfang Manta / 寄生牙のマンタ

おれは何か見逃してるんだろうか? 追加ターンは素晴らしいが、しかしターンを飛ばすのとセットじゃ完全にちゃらだ。そうなると残りの能力は、7マナっつうぶっとぶほどのコスト。パワー6の飛行クリーチャーなのはいいんだが、タフネス1に7マナだぜ? 追加ターンを嫌って相手が殺したがらないかも知れないが、こっちは7マナと1ターン払った後だ。もしちょっとでもゲームに勝ちたいと思ってるんなら、プレイする理由が見当たらん。

Cunning Wish / 狡猾な願い

これを使いたいと思うことは滅多にないだろうが、全くないとは言えない。願いカードを活かすこつは、サクり土地をいっぱい入れといて、他の色を散らさないでもいいようにしとくことだ。青白デッキで《苦痛をもたらす者》に困ってる? じゃあサイドから《炎熱の突風》を引っ張ってこよう。てな感じに。

悲しいことに、こんなことができてもこのカードがメインに入るのに充分な理由とは言えない。もっと特定色対策の強力なカードを入れておいた方がいいだろう。

当ページは、2ちゃんねる卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。