[PR]今日のニュースは
「Infoseek モバイル」

デッキ・クリニック:今日は誰からぱくろうか?

原文
The Deck Clinic: Who Should I Plagiarize Today?
著者
Alan Comer
訳者
高潮の翻訳者
投稿日
2002-05-19
更新
2003-06-29

大阪でユア・ムーヴ・ゲームズのチャド・エリスと話して以来、「繰り返す《盗用》」デッキのデザインは筆者の心を捉えていた。つまり、《盗用》を再利用し続けて、対戦相手の動きを完全にロックしてしまおうというアイデアだ。《盗用》を用いるコンボはそんなに多くないが、デッキにはその殆どが入っていた。しかし結局、このデッキは遅過ぎてトーナメント・レベルには達しないと思われたため、調整を諦めてしまっていた。今回はこれまでに送られてきたデッキを総ざらいして、どんな《盗用》デッキがあるか調べてみた。以下に示すのが今回扱うことにしたデッキだ。

投稿者のコメント

このデッキの一番の売りは《盗用》と《総体の知識》のコンボです。もしこれが決まってきっちり回り続ければ、対戦相手が二度とカードを引くことができないという“ロック”を決めることができます。デッキの勝ち手は《秩序ある渡り》もしくは《火/氷》のリサイクルで、おそらく前者の方がよく使うでしょう。もうひとつ重要なコンボは《盗用》と《セファリッドの円形闘技場》です。これが決まると、こっちはカードを3枚引いて、対戦相手はカードを3枚捨てなければなりません。

デッキは全体的に《総体の知識》に強く依存しています。余った土地を《円形闘技場》の再利用に使ったり、2枚目以降の《総体の知識》で割られた《集団監禁》を拾ったり、インスタントを《盗用》に変換したり、《不屈の自然》を《秩序ある渡り》に換えたり。

このデッキはビートダウンや黒単、あるいは黒にタッチで何色か、というデッキには相性がいいのですが、カウンター主体のデッキには苦戦します。僕はこのデッキは現環境ではかなり強いと思ってます。現時点でも一線級のちょっと下ぐらいにはランクできるのではないでしょうか。まだ今は単なる地雷デッキにすぎませんが、もうちょっとひねりを加えれば、きっとメタの主流になれると思っています。ヘビーなコントロール・デッキが大敵なので、サイドボードには対コントロール用のカードを詰め込んであります。

ともあれ、必要とあればどのようにいじってもらっても構いません。そして、どんな風に調整したかを教えて下さい!

よろしく、

フィルより

デッキレシピ

プレイテスト

このデッキは全く理にかなったデザインをされていて、かなり強いように見える。マナ・ベースを少しいじろうかとも思ったが、まずは実際に試してみることにした。しばらくデッキを回してみると、筆者はどうもこのデッキに向いてないんじゃないかと思うほどさまざまな種類の失敗をしでかして、その多くはサイドボード後だった。このデッキは、攻撃的なデッキがエンチャント除去をサイドインしてくるとひどいことになる。以下にテスト中筆者が学んだことを箇条書きしておく:

マナを揃える

PTバルセロナで成功して以来、筆者は構築/リミテッドで5色を組む時、独自のマナ比率の計算方法を用いている。まず、必ず緑ベースで組む。次に、以下のやり方で《森》以外の土地の比率を決めていく:

「ある色のマナが1ターンに最大何点必要かを考え、その色のマナを出す基本地形を、その点数と同じ枚数だけ加える。」

そして、残りの土地は全部《森》とする。《森》は最低14枚ないとデッキが回らない。《森》以外の土地の実質の枚数は、たとえば二番目の色の土地であれば、その土地とマナ補正カード(《不屈の自然》《砕土》《地勢》といったカード)の枚数を単純に足して計算する。三番目以降の色も同様にするが、マナ補正カードの枚数は半分にして数える。

今回のデッキの基本地形の必要枚数は筆者の考えでは《森》14枚、《平地》1枚、《島》3枚、《沼》1枚、《山》1枚になる。コントロール・デッキ相手の場合には、自分のターンに青いスペルをプレイして、さらに2回カウンター呪文をプレイするマナが欲しい。また、青いスペルを2枚プレイして、なおかつカウンターの構えを残す、という形も作りたい。よって、《島》は3枚とする。あとの色は1ターンに1マナしか使わないので、1枚ずつ。マナ補正カードは《不屈の自然》《砕土》を4枚ずつ入れる。

上の計算式に従えば、土地の実質枚数は《森》14枚、二色目として《島》11枚、その他5枚ずつとなる。通常二色目には12枚欲しいが、いざとなれば《円形闘技場》を使う手もある。ただ、《円形闘技場》1枚までは《島》として扱うとしても、残りの分はマナソースとしてよりコンボパーツとして考えている。ここまで述べてきた方法は概算に過ぎないが、経験的にはとても上手くいっている。

スペルの比率を整える

土地枚数をきっちり揃えたので、もはや青い低コストのキャントリップはそんなに必要ない。どのみちその手のスペルはマナを揃えてからでないと打てないので、もっとコストが高くて効果も大きいスペルと入れ換えることにする。まず《俗世の相談》は当然とも言える選択だろう。2マナだが、4〜5枚のカードを見られる能力を考えれば、追加1マナを払う価値は充分にある。もう一枚は、現在のスタンダードで最強のドローカード――《連合戦略》。これを打つと手札が余ってディスカード、ということがしょっちゅうあるのだが、それでも手札の質は向上するのだし全く問題はない。

さて、ゆっくりではあるが強力な働きをするドロー強化を加えたので、今度はデッキの基礎になっているスペルを再調整しよう。まず、《総体の知識》はこうなるとちょっと引き過ぎるきらいがある。よって1枚削って3枚にする。同様に《セファリッドの円形競技場》も1枚削る。これはマナソースの分ではないので、この削減のために前項で揃えた土地枚数を再考する必要はない。

もう一枚打ち消し呪文が欲しいところだが、青マナ2点をひねり出すのは難しいので《ドロマーの魔除け》を採用した。これはバーン・デッキに対してはいざという時のライフ回復手段としても使える。ライフ回復のためだけのスペルをデッキに入れるのは好きじゃないのだが、こんな風に選択肢のひとつになっているのは素晴らしい。この手のスペルでは《ドロマーの魔除け》は最上級のものだろう。

《火/氷》は力不足だと判明した。なるほど1対2交換が狙えるカードだが、こいつだけでは《集団監禁》を引くまでクリーチャーを排除し続けることは不可能だ。よって、4枚とも抜いた。代わりに《部族の炎》を1枚投入した。こちらの方がダメージは大きいし、エンド・カードにもなってくれるし、マナ・コストは同じ2マナと安いし、序盤の時間稼ぎもしてくれる。それと、《死のわしづかみ》も1枚入れた。これもフィニッシャーになるし、バーン・デッキに対してのライフ回復もできる。副次的な要素だが、勝ち手を複数持っておくことは、《消えないこだま》対策にもなる。

そして最後に、《秩序ある渡り》を4枚に増やした。とにかくこのカードを引く確率を上げたいし、コントロール・デッキへの脅威も増す。クリーチャーに攻めたてられて《集団監禁》が引けない時にも、時間稼ぎになってくれる。

サイドボード

メインデッキが随分好い感じになってきた一方で、毎デュエルサイドボード後にはどんな目に遭わされるか心配でならなかった。誰もが《集団監禁》を狙ってくるし、実際割られるとだいたい負けるのだ。オリジナルのデッキではそんな時のためにサイドボードに《一瞬の平和》が入っていて、確かに役に立つことは役に立つのだが、この手のカードをデッキに入れる時は必ずどれを抜こうかという厄介な選択をしなければならない。それよりは、サイドボーディングで《集団監禁》を全抜きして、違う防御手段を投入する方がいいだろうと考えた。そうすれば、対戦相手の《解呪》は対象がなくて手札で腐るかも知れないし、《総体の知識》が場にある時は、それに対して打つか、それとも後から出てくるだろう《集団監禁》のためにとっておくかの判断を迫ることができる。そこで、《集団監禁》の果たす役割を肩代わりするカードが必要になる。対戦相手からのクリーチャーによる攻撃を防ぐカード。これに《追放するものドロマー》がふさわしいことは明らかだ。残念ながらレジェンドなので、4枚投入するわけにはいかないが。《煽動するものリース》も、チャンプ・ブロック用のトークンをいっぱい生み出すので、同じような働きをしてくれる。それぞれを2枚ずつ投入する。

《撹乱》は序盤は好いカードだが、ターンが進むにつれて価値が落ちていく。デッキが緑ベースになった今としては、あまりいい選択ではなさそうだ。代わりに筆者はコントロール・デッキ対策に《強迫》と《世界の荒廃》を考えた。4枚入れられるなら《強迫》が望ましいが、サイドボードにはそんなにスペースがない。そこで《世界の荒廃》2枚にした。《対立》デッキ対策としては、《オーラの旋風》を2枚。このデッキは《解体の一撃》キッカーつきの6マナは軽く払えるが、カウンターの構えを維持したいので、青マナを使いたくないのである。

まとめ

筆者は《盗用》でデッキを組むというアイデアが本当に気に入っているが、残念ながらこのデッキは実際には《盗用》コンボ以外の部分で勝っているように思われる。これが事実でないことを祈りたい。

ともあれ、最終的なデッキは充分面白いものに仕上がった。きっと気に入ってもらえると思っている。

最終的なデッキ

当ページは、2ちゃんねる卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。