- 原文
- 著者
-
- Josh Bennett
- Brian Kowal
- 訳者
- 34
- 投稿日
- 2002-01-08
- 更新
- 2003-05-18
まずは、ベガスが始まりだった。TurboXeroxの系譜に当たるデッキが、奇人Alan Comerによってデビューしたのだ。青のキャントリップと《Quirion Dryad(PS)/クウィーリオンのドライアド》の組み合わせからMiracle-Groと名づけられたそのデッキは会場を席捲した。しかし残念ながらタイブレークの差でシングルには残れず、よってそのデッキのトップアーキタイプへの仲間入りは出来なかった。
一週間後、グランプリ仙台にMike Longが現れた。彼はMiracle-Groを元に、マーフォークを《Werebear(OD)/熊人間》と《Wild Mongrel(OD)/野生の雑種犬》に置き換えたデッキを用意し、結果準決勝で悪夢のようなマッチに当たるまで勝利を重ね続けたのだ。
そして、一気に状況は変化した。ドイツでは多くのプレイヤーがMiracle-Groで予選を突破。人々はデッキの中核 ―10枚の土地・《Land Grant(MM)/土地譲渡》・キャントリップ・《ドライアド》― 以外のスペースについて討議しだした。
《雑種犬》は必要なのか?
《Curiosity(EX)/好奇心》は?
《Winter Orb(5th)/冬の宝珠》は何枚?
今回の大会ではMiracle-Groが大挙として参加。272人の参加者中52人がMiracle-Groなのだ。その割合実に19パーセント。はたしてどれだけ2日目に残るだろうか?
話はここでは終らない。終りのないメタゲームと様々な調整により、Miracle-Groメタを予想してデッキを組み上げたグループがいたのだ。Super Groと名づけられたそのバージョンは、《Mystic Enforcer(OD)/秘教の処罰者》と《Swords to Plowshares(IA)/剣を鍬に》を加えたことでミラーマッチを対策し、その色が増えた結果として土地が14枚になっている。
そしてそのバージョンを使用した6人が2日目に残り、しかも4回しか負けていない。
| Result | Player |
|---|---|
| 7-0-0 | Ben Rubin |
| 6-0-1 | Chris Benafel |
| 6-1-0 | Brian Kibler |
| 5-1-1 | Lan D. Ho |
| 5-1-1 | Dan O'Mahoney-Schwartz |
| 5-1-1 | Phil Freneau |
彼らからバイを差し引けば、結果20-4-4。すばらしい成果だ。Anti-Miracle-GroのWilliam Jensenと共に、賞金の獲得は間違いないところだろう。
4週間前のGPラスベガス、Alan Comerが披露したのは10枚の土地とキャントリップとマーフォーク、そしてトレード材料にもならなかったプレーンシフトのチビレアが入ったデッキだった。そして1ヶ月後の現在、そのデッキは環境でもっともポピュラーなデッキに育ってしまった。そうまさに、《クウィーリオンのドライアド》が育つが如くに。
そして今回のGPヒューストン。このデッキが多いであろうことは予測済みだった。実際2日目の64デッキ中、Miracle-Groは25個。三分の一以上だ。近年の大会でここまで人気を集めたデッキはほとんどない。当初最強と考えられていたDonateは、現在ではメタの外の存在になってしまった。
このデッキの一番面白いポイントは、短期間での変遷である。それはまず、Mike Longによって日本のGPでBest8に入賞し、デッキ懐疑者を驚かすことから始まった。Longの調整は、ある意味デッキをスタンドードっぽくしていた。クリーチャーを《熊人間》や《野生の雑種犬》のような緑のものに入れ替えたのだ。さらに《Waterfront Bouncer(MM)/波止場の用心棒》を加え、これは現在でもほとんどのバージョンで使われている。
GPヒューストンではさらに発展が加えられ、Super-Groへと変化した。Ben RubinとBrian Kiblerにより、デッキは根本から作り直されたのだ。彼らの変更は3色目、《剣を鍬に》と《秘教の処罰者》を加えることだった。
この変更で、デッキはどのように変わったのか?
まず、Super-Groは環境最高の除去を手に入れることができた。今回のエクステンドでは、クリーチャーはもっとも重要な要素の一つだからだ。Miracle-Groでは、PTJunkのような低コストの除去と大型クリーチャーが入ったデッキには脆かった。つまり、これまではクリーチャーコントロールがほとんどなかったからだ。よってそれと戦うには完全にカウンターしつくすか、もっと大きく《ドライアド》を育てるかしかなかった。Longは《用心棒》を加えていたが、《剣を鍬に》には敵わない。
さらに明確なアドバンテージが《秘境の処罰者》。こいつはすでに、ゲームでもっとも強力なクリーチャーの中の一体という評価を得ているほどで、スレッショルドするだけで6/6プロテ黒のドラゴンがたった4マナで手に入るのだ。実際にこのパワーを知ったJunkプレイヤーは、《Spiritmonger(AP)/魂売り》のスペースを《処罰者》に換えてしまっている。そしてRubin/ KiblerバージョンのGroでは、対戦相手の《処罰者》を《剣を隙に》やこちらの《処罰者》で対抗できるようになっているのだ。
他の変更点では、Longがデッキから外した《Merfolk Looter/マーフォークの物あさり》を再び加えているのが挙げられる。これはおそらく、抜けた《好奇心》の代わりだろう。また、土地が10枚から14枚に増えて、無駄札を抱える危険性を考慮した結果でもあるのだろう。《用心棒》も似たような働きをするが、RubinとKiblerは《物あさり》の方を好んだようだ。
これらの変更はJunkとミラーマッチを睨んでのものだが、結果は成功だった。このバージョンをプレイしているプロプレーヤーのほとんどがスタンディングの上位におり、少なくともBest8のうち2つがSuper-Groになりそうな勢いである。メタゲームの変遷と強力で汎用的なカードにより、デッキにもう1ステップの発展が加えられたのだ。
当ページは、2ちゃんねるの卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。